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かりん御殿

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January 12, 2004
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カテゴリ:旧(身内話)
いよいよ次男の手術の日が近づいて来て落着かない。
今は手術自体よりも手術前の体調整備の方が心配だ。
このド寒いだけじゃなく毎日雨が気まぐれに降る英国の冬、
白人に比べて寒さに弱いらしいアジア人(エスキモーは?)の次男を
手術当日まで鼻水ひとつ出ない状態に保つ..(できるのか???)
運悪く風邪でもひいてしまったら手術がキャンセルされ
また少なくとも3ヶ月は待たされる事になるので必死だ(ToT)。
さっそくネルのパジャマとフリースのガウンを買って来て
夜の対策はバッチリだが、登校時、どうなだめてもマフラーをしない。
曰く「あちゅいのっ。コウジあたまイタくなっちゃうのっ。」....

実は、前回手術の際、鼻の穴に通すチューブについた極小サイズの
マイクロカメラ(100万円との事)が搬送中のミスで壊れてしまい
替りが見つからなかった為開始30分前に手術がドタキャンされ
すぐに再手術の予約を入れると約束されたのにも拘わらず
結局、3ヶ月近く待たされてしまったのだ。
今回の手術をキャンセルされたくないのには大きな理由がある。

それは、先週、手術前の説明がてらレントゲン写真を見た時の事だ。
実際に顔を見るぶんにはそれほど感じないのだが
こうしてあらためて見ると顎の高さも全然違うし
歯の数も足りなかった(妙に細かいウザヲが気が付いた)のだが
それよりも何よりも、衝撃を受けたのは、今回取り外す予定の
顎の骨を固定している金具だ。
顎の所に何かボコっと小さく突き出ているのが明白な金具なのだが
それでも、先進的精密金属部品に違いない、と予想していた。

だが、レントゲン写真に写ったその金具は、
小さな洗濯バサミ....というか..メモ紙挟みというか...
要するに、どこの家にもありそうな
ごっつい単純なクリップだったのだ。
あらためて診察台の上に神妙な面持ちでチョンと乗っている次男の顔を眺める。
こんなのが顎の中に入ってたら、さぞかしうっとうしいだろう。
そして、何かのひょうしにぶつけでもしたら???
ぞっとした。

「中に入れておくと危険なので取りましょう」と言われてから
既に半年待ったが(危険なんじゃないのか????)
この金具の形を現実に見てしまってからは、もう
一刻でも待てない気持だ。
今日、明日、あさって、あと3日。
ぜぇぇったい風邪はひかせられない!!!!


さて、2年前に手術を受けるまで次男は
口を5ミリくらいしか開けられなかった、と以前日記に書いたが
実は、両親である私とウザヲは、その事を次男が二歳になるまで
気が付かなかった...。
うっかり、というか、ここまで来たら単なるバカ親なのだが
確かに私達が大雑把なのは認めるとして、
ここまで気がつかなかったのにも理由があるのだ。

まず、口が開けられないなんて事態があるとは
想像もしていなかったのが一大理由だ。
乳児の年齢別成長チェックには
聴覚や視覚の異常に関する記載はあるが
口を開けられるかどうか調べましょう、なんて
聞いた事が無い。だから考えた事もなかった。
(というか普通気付くもんなのか???)

そして次なる理由は、生まれつき
口が開けられなかったのなら
さすがに私達でも、どんなヘボ医者でも
すぐに気付いたはずだが
次男は赤ちゃん時代には口を開けられたのだ。
歯が生えるまでは、歯の分だけでも口の隙間が
大きかったはずだし(よく覚えていない....)
ともかく、お乳をやるのにも離乳食をやるのにも
それほど苦労した事がなかった。

しかも、次男は、出産時B群溶連菌に感染していた事が
退院後(出産後6時間で母子ともに退院した^^;)5日目に
ヘルスビジター(保健婦・出産後毎日産婦の家を訪問する)から
黄疸じゃないかと疑われ
(ただ単に黄色人種だから白人より黄色いだけだったのだが)
受けた血液検査によって発覚し、即、入院し
即抗生物質で治療したので大事には至らなかったものの
どの様な影響があるか成長しないと判らないため
生後6ヶ月まで通院観察し、
脳スキャンや聴覚テスト等を繰り返していたのだ。

だから、何か異常があれば、ここで引っかかってるはず、と
思って(安心して)しまうではないか。
もし病院で顎に何か後遺症が現われる、とでも言われていたら
もちろん私達も注意していただろうが
こんな所に障害が現われるのは「非常に稀な展開」で
病院側でも予想もしていなかったのである。

さらに、正直に言うと
一人めの子供だったら、あれこれ心配したかもしれないが
二人め育児というのは、比較と諦めに終始しやすいものなのだ。
次男は長男に比べ、しょっちゅう泣くし
ひっじょぉ~に扱いにくい赤ちゃんだったのだが
「同じ親から生まれても全然違う」と
妙に諦め納得してしまい原因を追求してもみなかった。
顎の畸形がわかってからは、次男があんなに不機嫌だったのは
ひょっとしたら、常に顎に痛みがあったからかもしれないのに
「扱いにくい子」と決め付けて、深く考えもせず
本当にすまない事をしたと反省している。
思い込みほど危険なものはない。


では、いつ頃から、さすがの私達も
おかしいと思い始めたのだろうか?

次男には1歳2ヶ月くらいまで母乳を与えていた。
その頃には、かなり歯も生え揃っていたはずだが
(よく覚えていない....)
小さいなりに口は開いていたし
この時までは、まだ、特に疑問には思っていなかった。
だが、卒乳後、食事の量が増えてから
自分で何かを齧って食べる場合はいいのだが
(今考えると、いつも、口の端っこで齧っていた。)
スプーンで食べるものは、一回に少ししか食べれないのに気付いた。
口を開けないので、ボロボロこぼれて食べれないのだ。

友人は「『ア~ンして』って食べさせようとしても口開けないねぇ。」
と不思議がっていたが、私は
口が開けられないなんて夢にも思わず
食べるのが嫌だから開けないんだと信じていた。

その頃、風邪でお医者さんに連れていっても
次男は口を開けて喉を見せた事が無かった。
お医者さんは苦笑いしながらあきらめていた。

もちろん歯も磨けない。
前歯、歯の表面は何とかなるが、無理矢理歯ブラシを入れて
引っかかってしまい、やっとの思いで抜き取ってからは
奥歯は漱ぎだけで済ます様になった。

詳しく説明すると、当時、口の開き方は左右均衡では無く、
片端は全く開かず
片端は角度をずらすと8ミリくらいは開ける事ができた。

この頃、上海で口腔科の看護婦をしている義姉(ウザヲ姉No2)が
次男の写真を見て口元が歪んでいる事に言及する様になった。
私達夫婦は、当初、その懸念を医学的な理由よりも
審美的な理由だと思い気にとめていなかったのだが、
ちょうど引越しでGP(地域の家庭医)を登録しなおしたので
子供好きで人あたりの良いこのお医者さんに
次男の口元の歪みについて意見を聞いてみた。
杞憂だと言われるかと思ったら、地元の総合病院に診せる様に
紹介状を書いてくれた。

ところで英国では医療は一般的に
NHS(国家保健サービス、予算は国民から税金と共に徴収)で
まかなわれ成人の薬代等を除き基本的に個人負担は皆無だ。
国民以外にも適用されるし出産もNHSですます限り全く無料だ。
逆に、NHSがきかない医者や歯医者で治療したりすると
非常に高額の医療費がかかる。
NHSの基底にある哲学自体は素晴らしいのだが
現在のNHSは、つねに予算不足よって人手不足で、
診察するにも手術するにも急患でも(!)とにかく待たされる。
ガンの診察・治療・手術でさえ長期間待たされて
結局手遅れになってしまう、なんて事が起こっている。

そんな訳で、地元の総合病院での診察の予約が取れたのは
数ヶ月後だった。
結果、診断は「特に異常無し。」
「頬がポチャポチャしているから口が余計歪んで見えるが、
歪みを治す為には大掛かりな手術が必要だし
個性だと受け止めた方がいいと思う」と言われた。

異常無しと言われて少し安心したものの
何故口を開けないのかは依然謎のまま。
不安が日増しに大きくなった。
最終的に、二ヶ月後、東京・上海での休暇のついでに、
義姉の職場の先生達と
既に引退した上海一の口腔科の名医と言われる先生に
次男を診てもらった。

名医の先生の診察には私は同行しなかったのだが
ウザヲの話によると、先生は、次男の両顎に手を当てただけで
「この顎でどうして口が開けられるんだ。
口を開けないんじゃなくて開けられないんだよ。」
と断言したそうだ。そして
「すぐに手術が必要。」
「最悪の場合、睡眠時に窒息する可能性もあるから
常に添い寝で様子を見て熟睡させないように。」
等と続けざまに言われウザヲは目の前がまっくらになったらしい。
義姉が私達が英国に住んでいる事を告げると
術後リハビリが必要だから英国で手術を受けるべきと助言された。

この時、次男のイビキも、顎の畸形のせいだとわかった。
イビキは、確か一歳過ぎから始まったのだが
(よく考えると乳児時代にはイビキは無かった..と思う。)
ベビーカーに乗せて買い物をしている時
うとうとと眠りに落ちた次男が大イビキをかき始め、
その場にいる人が一体何の音だと周囲を見回し
次男が原因だと気づき微笑んだり冗談を言ったりする
という事がしょっちゅうあった。
一度、図書館で注意された事もある。
そのくらいすさまじいイビキだった。
(夜、その横で熟睡できる私も私だが....。)

名医の話では、このイビキは
睡眠時に酸素が十分に脳に行っていない可能性
(つまり、知能の発達に影響を及ぼす可能性)を示しているらしい。
熟睡させないようにというのも同様の道理であった。
(でも熟睡させないって...じゃ、親はいつ寝ればいいんだ???)
とほほ時代の幕開けとなった。

(長くなってしまったので、ここでいったん切ります...)






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Last updated  August 28, 2004 01:40:45 AM
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