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テーマ:「屋業」の人々(234)
カテゴリ:業界ネタ
少し前に某大手ビールメーカーで、「鮮度直送キャンペーン」と銘打って、抽選で当たった人に、
工場から出来たてのビールとそれを抽出するための簡易サーバーを直送するという企画があった。 で、ウチの得意先でめでたくそれに当選された方がいる。 到着した出来立てビールをさぞご堪能されたのだろう、ウチに追加の注文が来た。 その方は飲食店の方なので、自分の店でお客に提供したいということもあるようだ。 しかし追加といってもどうしたらいいものか、だいたいアレは非売品じゃないのか、と思い メーカーに問い合わせたところ、市販の「ミニ樽」ならサーバーにキチンと適合するから、 それを使って下さいとのことだ。 もちろん市販品だと「出来たてビール」という訳にはいかないが、それは致し方ない。 ところで市販の「ミニ樽」といえば、あー、そういえばそういうのがあったなー、といって思い出すくらい、 最近ではお目にかかることの少ない商品だ。 取っ手付きで2リットルと3リットルの2サイズがあり、かつては花見やレジャーの際に よく売れた商品だったが、その後次第に尻すぼみになり、ウチの店ではもう3~4年ほど前から扱っていない。 それに最近では量販店などでも売られているのをあまり目にしないような気がする。 ウチにない商品だから当然取り寄せなければならないのだが、問屋に訊いたところ、 在庫は持ってはいるものの、ビールは原則的にケース単位でしか売れないとのこと。 ちなみに1ケースは6本入りなのだが、当然お客からはバラで注文を受けている。 メーカーの担当者にも相談したが、さすがにメーカーとしても問屋の売り方に口を挟むことはできないし、 かといってメーカーから直接ウチへ商品を送るなどということもできない。 結局メーカーとしても如何ともし難いようで、奥歯に物の挟まったような言い訳を聞かされるより他なかった。 たまたまそのお客が比較的気心の知れた人だったので、ケース単位でないと取り寄せ出来ない実情を ありのまま説明して、その上で判断を仰ぐことにした。 もちろん断られるようならば、残り在庫をウチで処分する覚悟はしていたのだが、 幸いお客の方で快くOKをして頂けた。 もちろんウチとしても相当勉強させていただいたのは言うまでもないが。 ケースでまとまってる商品をバラ出荷したくない問屋、あえて死に筋商品の在庫を持ちたくない小売店、 お客の立場から見ればそれぞれ身勝手に映るかもしれない。 しかし現実としては、結構切実な問題なのだ。 特に今回はメーカーの都合によることなので、あくまでメーカー主導で、 問屋や小売店に不良在庫が残った時のリスクを担保する必要があるんじゃないか? メーカーのキャンペーンも結構だけど、あらゆるケースを想定して アフターフォローを考えてもらいたいものである。 なんといっても最終的にお客に不便を掛けることは、絶対に避けなければいけないから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年07月27日 17時42分40秒
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