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カテゴリ:音楽の話
私の家から程近いところに、中古レコード店がある。
品揃えがあまり私の好みと合ってないので、あまり足を運んだことがないのだが、 先日たまたまフラッと入った時に、偶然このレコードに出会った。 『スリー・ドッグ・ナイト』の2枚組のライブアルバム『Around The World』だ。 『スリー・ドッグ・ナイト』は70年代に活躍した、アメリカのロック・グループで、 そのウリは個性の異なった3人のボーカリストによる「トリプルボーカル」にある。 「トリプルボーカル」といっても、例えば『シュープリームス』のように メインの一人とサブの二人の役割が明確に分かれているわけではなく、 3人が対等な立場で代わる代わるメインボーカルをとるスタイルだ。 だから曲ごとに微妙にテイストが異なるのだが、 全体的にはやはり『スリー・ドッグ・ナイト』のサウンドとしか言いようがない。 で、このグループのライブ・パフォーマンスが非常に素晴しい(らしい)。 もちろん年代的にも私は直に観たことがないので分からないが、かつて私が勤めていた会社の先輩社員に、 『スリー・ドッグ・ナイト』の日本公演(もちろん彼らの絶頂期の)に行ったことのある人がいて、 彼の言うには、後にも先にも海外アーティストのライブであれ以上のものは見たことが無い、ということだった。 ただこのグループは、そのクォリティーの割には日本での人気は今ひとつパッとしていないみたいだ。 数年前にこのグループの最大のヒット曲『喜びの世界』というのが、某局のドラマ主題歌に使われて、 その折に多少の注目は浴びたものの、有名なのはその1曲だけで、発売されているCDの数も種類も極めて少ない。 私もベスト盤のCDを1枚(かなりの愛聴盤だ)持っているだけで、 一度彼らのライブ盤を入手して聴いてみたいと思っていたのだった。 そんな矢先に偶然手に入れたこのレコードは、なんと盤も、ジャケットも、ライナーノーツも、 全て新品同様で、しかも値段は2枚組でたったの1,890円。 アナログレコードの中古品でここまでの美品というのは奇跡に近い、と言ってもいい。 なんというお買い得品だろう。 早速針を落としてみると、演奏も期待を上回るすばらしいものだった。 3人のパワフルなヴォーカルもさることながら、このバンドで唯一の黒人ドラマー、フロイド・スニードが なかなかいいドラミングを聴かせてくれる。 今でもメンバーを変えつつ、現役で頑張ってるらしいが、願わくば絶頂期のライヴをこの目で見たかったものだ。 ちなみに『スリー・ドッグ・ナイト』というグループ名はどういう意味かというと、 オーストラリアの原住民・アボリジニの、「3匹の犬を抱いて眠れば、どんなに寒い夜でも大丈夫」 という言い伝えに由来しているのだそうだ、参考までに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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