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テーマ:「屋業」の人々(234)
カテゴリ:仕事のこと全般
今回の参院選も、いつの間にか消費税増税の問題が大きな争点になってしまっている。
私自身は、消費税もいずれは上げなきゃいけないだろうが、現時点では時期尚早、というスタンスだ。 ただ議論の対象になるのは大いに結構だと思っている。 しかしその際に声を大にして言いたいのは、「総額表示の義務化」をやめて欲しい、ということだ。 要はプライスカードやチラシなどの表示を「外税価格」で、ということだ。 もっともこんなことを言うと、 「消費者の立場からすると、支払う金額がすぐ分かる内税価格の方がいい」という意見もあるだろう。 しかしその一方で、内税価格だと自分がいくら消費税を払っているかよく分からない、 つまり担税感が麻痺してしまう、という指摘もあるから、消費者の立場では一長一短だと言える。 しかしこれが販売業者の立場から言わせてもらうと、「内税価格」の方がはるかに厄介なのだ。 それは、税率改定のたびにいちいち価格を直さなければいけないからだ。 「そんなくらいのこと....」とお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、 実際やってみなければその大変さはたぶん分からないと思う。 プライスだけならともかく、商品説明なども織り込んだショーカードだと、全部作り直さなくてはいけない。 それだけではなく、PCやレジに登録されている商品マスター、それが各得意先ごとに設定されている契約単価、 さらにネット通販をやっているところは、個別の商品すべてについて価格を入力し直す必要がある。 膨大な作業量になるのだ。 もちろんこのような苦労があるからという理由で、消費者に不利益を強いることになるというのであれば、 それは私たちの望むところでは無い。 わがままを言うつもりは無い。あくまでも消費者の皆さんにご納得いただくことが前提だ。 しかしながら、政治家や官僚が「内税表示」を強く主張するに当って、我々のこのような兆大な手間とコストが 多少でも意識されていないとすれば、それは非常に残念なことだと言わざるを得ない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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