『民法Ⅰ~Ⅴ(有斐閣Sシリーズ)』
山田卓生・河内 宏・安永正昭・松久三四彦『民法Ⅰ ― 総則(有斐閣Sシリーズ)』[第4版](有斐閣,2018)340頁 ※補遺淡路剛久・鎌田 薫・原田純孝・生熊長幸『民法Ⅱ ― 物権(有斐閣Sシリーズ)』[第4版](有斐閣,2017)404頁※第4版補訂は2019年9月発売※最新版は2022年3月発売の第5版野村豊弘・栗田哲男・池田真朗・永田眞三郎・野澤正充『民法Ⅲ ― 債権総論(有斐閣Sシリーズ)』[第4版](有斐閣,2018)336頁※最新版は2023年4月発売の第5版浦川道太郎・藤岡康宏・松本恒雄・磯村 保『民法Ⅳ ― 債権各論(有斐閣Sシリーズ)』[第3版補訂](有斐閣,2009)472頁※第4版は2019年3月発売※最新版は2023年3月発売の第5版佐藤義彦・伊藤昌司・右近健男『民法Ⅴ ― 親族・相続(有斐閣Sシリーズ)』[第4版](有斐閣,2012)252頁有斐閣Sシリーズの民法。Ⅰの著者は,元横浜国立大学名誉教授の山田卓生元名誉教授,九州大学名誉教授・近畿大学法科大学院特任教授の河内宏特任教授,神戸大学名誉教授の安永正昭名誉教授,北海道大学名誉教授・北海学園大学法科大学院法務研究科長の松久三四彦博士の4名です。Ⅱの著者は,立教大学名誉教授の淡路剛久弁護士,早稲田大学総長の鎌田薫弁護士,東京大学社会科学研究所教授の原田純孝教授,大阪市立大学名誉教授・岡山大学名誉教授・大阪市立大学法科大学院非常勤教授の生熊長幸博士の4名です。Ⅲの著者は,学習院大学名誉教授の野村豊弘博士,元立教大学法学部教授の栗田哲男元教授,慶應義塾大学名誉教授・武蔵野大学副学長の池田眞朗博士,元関西大学学長の永田眞三郎元教授,立教大学大学院法学研究科教授の野澤正充博士の5名です。Ⅳの著者は,早稲田大学名誉教授の浦川道太郎弁護士,北海道大学名誉教授・早稲田大学名誉教授の藤岡康宏博士,一橋大学名誉教授・国民生活センター理事長の松本恒雄名誉教授,神戸大学名誉教授・早稲田大学法科大学院教授の磯村保教授の4名です。Ⅴの著者は,元同志社大学法学部教授の佐藤義彦弁護士,九州大学名誉教授の伊藤昌司名誉教授,大阪府立大学名誉教授・元愛知学院大学法科大学院教授の右近健男博士の3名です。Ⅳ債権各論を除いて,債権法改正に対応しています。有斐閣ホームページによると,有斐閣Sシリーズは,「大学の専門課程の基本科目を徹底的に重視した一科目一冊のスタンダード・テキスト・シリーズ。ゆったりとしたページ・レイアウトのなかに豊富な図表や具体例を収め,重要ポイントを示すなど,読みやすさとわかりやすさにねらいを絞りました。」と紹介されています。1987年(昭和62年)4月から刊行が始まった同シリーズには法律科目以外のテキストも数多くあるうえ,基本7法のうち行政法を除いたいわゆる六法の全科目のテキストがあります。もっとも,その中には憲法など長年改訂されていない科目も含まれています。有斐閣Sシリーズの民法には定評があり,私の通っていた法科大学院の講義でもⅡとⅢがテキストに指定されていました。しかし,あくまで学部での使用を想定したテキストであるため,これだけで司法試験あるいは予備試験を乗り切るには若干の無理があるかと思います。したがって,不足している情報量を他の参考書で補足することが不可欠となるでしょう。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。