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カテゴリ:映画
1579年天正伊賀の乱の歴史ドラマを原作に基づいて映画化したものである。 天下統一を目前にする織田信長の次男、信雄(のぶかつ)率いる伊勢の織田軍と伊賀忍び軍の戦いを描く。 圧倒的迫力の武家集団と、「虎狼の族(ころうのやから)」と呼ばれ人でなしの忍者衆が、戦法も武器も武力も差がある中で対戦し侵攻を阻止する。 主人公の無門(大野 智)は伊賀一の凄腕で忍術に長けている(架空の人物)。 安芸の武将の屋敷に忍び込んだ折、一目ぼれしたお国(石原さとみ)を連れ去り女房にしている。 この情熱と、怠け者で稼ぎが少ないのを理由からお国に家に入れてもらえないっていうひ弱さのギャップに観客の私は胸がキュンとなる。そんなお国も粗末な無門の家でおとなしく暮らしている。 無門の生い立ちは哀れで悲しい。肉親の愛さえ知らずにいる。弱肉強食の忍びの世界で本能で生き抜いてきた。 唯一、お国だけを心から愛し尻に敷かれたままでいる。 飄々と見せる無門の笑顔が魅力的だ。
映画を観て、「虎狼の族」というよりも、獰猛で狡猾で命知らずで現金な野生の猿軍団というイメージだった。ちょっとね・・ 印象に残ったのは、ラストの無門と伊賀忍者の下山平兵衛(鈴木亮平)とのアクションシーン。迫力があった。 信雄に仕える天下無双の武将、日置大膳(伊勢谷友介)のセリフが響く。「虎狼の族の血はいずれ天下を覆い尽くすこととなるだろう。我らが子そして孫、さらにその孫のどこかで、その血は忍び入ってくるに違いない」 そして下忍たちと、現代の恰好をした彼らの姿がオーバーラップされる。 エンディングで、無門と歩くネズミと呼ばれている孤児の少年がいる。ナレーションの声は遠い未来の少年の声(山崎 努)。 幼くして忍びの世界に押し込まれ鍛え上げられ愛を知らなかったこのネズミという少年は後の世の何者になったのだろうか。 想像を膨らませてこの映画の余韻を楽しんだ。
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最終更新日
2017.07.13 17:36:34
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