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テーマ:ニュース(100209)
カテゴリ:政治&時事放談
俺は高校生時代、「不良」と呼ばれる同世代の若者が羨ましかった。
服装や言動で「不良」をアピールすれば、どれだけ楽かと考えた。 ボンタンはいてリーゼントで決めてバイクを乗りこなす不良たち。 こっちは学生服にきちっとカラーつけて通学してるのに。 世間から真面目な奴だと見なされている若者の中には、心の中に巨大な「不良」を抱えている人間がいる。 いい奴、無難な奴、おとなしそうな奴、人間できてそうな奴、幸せそうな奴、可愛げのある奴、悩みが無さそうな奴・・・・・ 彼らは世に言う「不良」達みたいに、一見威勢がいい低温の炎を撒き散らしたりはしない。誰が見たってわかる反抗のシグナルは発しない。 紳士然とした賢そうな風貌の奥に、実は原子炉のような青白い高温の、閃光のような青白い焔を隠している。 理性とか知性とか分別とかいった、小さい頃から真面目に構築した厚い壁で焔は覆われている。 彼らは人に悩みを相談する術も知らない。というか、悩みを他人に相談することなど想像もつかない。悩みが深すぎて自分が悩んでいることすら知らない場合すらある。 真面目な子は孤独力が強すぎて、なんでもかんでも自分で解決してしまう。 心の傷をひたすら隠し、深さ5cmのパックリ開いたザクロのような傷を、自分で止血し、糸と針を使って縫い繕う修羅場が日常化している。 そんな子に対して大人は「手のかからない子だね」と安堵する。 ただ、強い抑圧とか家庭環境とか周囲の無神経な言動が、原子炉の焔を爆発させる。 彼らは感情を小出しにしない。感情を出さない奴は絶対に出さない。 でも、爆発する時は地震のように、ある日突然爆発する。誰も爆発を予知できない。 そういえば俺は中学高校浪人の時、犯罪が起こるたび、犯人に肩入れ味方した。 若い犯罪者は俺の代弁者だった。 お前は無口だ。もっと積極的に話をしろ。自分をアピールしろ。そう言われて慣れない能弁を身に付けると、今度はお前は口だけの理屈屋だ、実行が伴わない。そうかそれなら行動してやろう。俺のいざという時の爆発力を世間に見せてやろう。 「臆病モノのイチゲキ」は怖いぞ。 俺は大人に反抗するため、煙草に火をつける奴の気持ちがわからなかった。 どうせ火をつけるなら、嫌な奴の身体をガソリンかけて燃やしたいと願った。 自虐より他虐でしょ。 でも度胸がなかった。じゃあ度胸がついて実行したら、お前は褒めてくれんのか。 俺の心の焔が、家を焼き、人を焼く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/06/24 02:58:03 PM
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