カテゴリ:言葉
皆さん、普段、辞書使ってます?
国語辞典でも漢和辞典でも英和・和英…なんでもいいんですが。 使っておられる方、それは昔からの「本」になってるヤツですか?それとも電子辞書? 以前の会社ではチームに15人いた。 まあ1人はデイヴだったし、あと2人の外国人(イギリスにいる日本人が、そこに住んでいる人を外国人呼ばわりするのもヘンな話だが)を除いた後の12人がみんな、仕事柄それぞれ辞書を使っていたのは知っていたのだが、その中で「本」でなくて電子辞書を使っていたのは10人。 持っていなかったのは、なんと私とみつこさんだけだったのである。 みつこさんは、電話でコミュニケーションする上では絶対に相手とちゃんと意思疎通ができる人ではあるのだが、ご主人もイギリス人でそれもアカデミックな人であるにも関わらず、彼女の英語はかなりブロークンだ。 英語もブロークンである上に、日本語も相当ブロークンだ。(爆) まあ、電話での会話の場合は少々ブロークンでも一瞬で過ぎ去るし、彼女はブロークンな言葉でも、仕事のイメージがしっかり描けている人なので大筋で失敗することがないから私も眼をつぶっているのだが、大事な文章は英語・日本語ともにみつこさんに書いてもらうわけには行かない。 (みつこさん、ごめんね。) 彼女は辞書は使わないのではないかと密かに思っている。 私は辞書はよく使うほうだろう。 しかし、電子辞書は使ったことがなくて、今でも手元に置いているのは伝統的な「本」タイプのやつばかりだ。 恥ずかしながら国語辞典は持ってきていなくてクマイチのものを借りているが、それ以外の英語の辞書は *中学生の時に母方の伯母が、勤めていた会社で記念品としてもらったコンサイス英和辞典を譲り受けたもの *中学生の時に何かの賞でもらった英和中辞典 *こっちに来てから買ったコンパクト版のオックスフォード英英(当然だが)辞典 以上の3冊。 ふと気がついて回りを見渡すと、自分が想像していた以上に電子辞書が浸透していることに気がつき、ある時、私も一つ買おうかなと思ったが、やめた。 かつて、大昔に使っていた辞典を、ぼろぼろになっても愛用するのが一つの美徳と考えられていた時期は確かにあった気がするし、今の自分もその観念の持ち主の生き残りかもしれないとは思う。 知りたい言葉一つの意味を知るだけなら、古い辞書でもいいのかも知れないが、やっぱり言葉というのは本当は明確なようであって曖昧なものなのだ。 その言葉の周囲のイメージを少々探索してみて初めて、おぼろげにその言葉の本当の意味がわかるといったような。 暗がりで対象物にいくら眼を凝らしても、意外にその対象物はよく見えず、少し焦点をそらすとかえって対象物が見えるのに似ているかもしれない。 本当は、こんなに言葉自体が乱れたり変異したり、淘汰されたり、新しい情報がたちまち形になって言語化したりする時代だから、いつまでも30年近く前から持っている辞書の「タイムリーでない」例文に頼るよりも、電子辞書のほうが例文も現代により即しているのだろうとは思うが、私は電子辞書を買う決心が今日までつかないのはなぜかと考えてみた。 電子辞書を買う決心の邪魔をしているのは、これこそ少々古くなってしまった言葉かもしれないが、きっと私の言語感覚の「ファジー性」ではないかと思ったのだ。 「本」の形の辞書が手元にある時は、少々うろ覚えの単語でも、辞書をぱらぱらとめくっていくうちに「あー、これやこれ」と、探していた単語に行き当たる確率が高いのだ。 しかし、電子辞書にもこういう「ファジー性」があるのかどうかが私にとっては大きな問題だ。 少々間違った綴りを入れても「アレですか?」「それともコレかしら?」と、近そうな単語をどこまで出してくれるのかは疑問だし、かといってそこで電子辞書が電子辞書自体の判断でいくつか提示してくれたとしても、そこに探している単語が絶対にあるとは限らないのではないかと穿った見方もしてしまう。 これは「本」の形の辞書と電子辞書の話だけではないかも知れない。 インターネットで調べ物をする時に、できるだけ近いキーワードをいくつか入れてみて検索した結果、絶対にその情報はどこかにあるはずなのに、うまくひっかかってこないということは結構あるものだ。 しかし、新聞だとか百科事典だとか活字で印刷されたもので、それも以前に「絶対に見た覚えがある」と確信している場合には特に「確か、ぱっと見開きを開けた右上のほうに出ていたはず」というような「外観のイメージ」というのが意外に検索のカギを握っている場合も多い。 電子辞書やインターネットのように、ピンポイントでヒントを落とせば必ずヒットする調べ方の他に、もっと人間の意識下のメカニズムに訴えて何かを探すという場合には、絶対に活字で組まれたもののほうが上手く探せる、と私はいつもどこかで思い込んでしまっていると思うわけだ。 私が仕事の時に使う辞書は「本」のものよりも、頻度としてはアルク社のウェブサイトのwww.alc.co.jpを使うことが多い。 このアルク社のウェブサイトの和英双方向の単語サーチは、かなり難しい医学用語も網羅されているし、その他の言葉の例文も、時々かゆいところに手が届くようなものがあって驚くのだが、さっき書いたような「ファジー性」がまったくないのが欠点だ。 もともと無料でここまでのサイトを誰でも使わせてもらえるのだから、これ以上の希望を出すほうが無理というものだが、単語の綴りを曖昧にしか覚えていなくて間違った綴りを1箇所でも入れようものなら「ありません」という結果で終わる。 もちろん無料なのだから「アレですか?」「コレですか?」とは聞いてくれないし、知りたい派生語は出てこないことも多い。(でも、すんごく役に立つ) ともかく、絶対に避けたいと常々思うのは、日本語でも英語でも、知らない言葉をよく調べずに使ってしまって、後で大きな間違いに気づいて顔から火を出るほど恥ずかしい思いをすることだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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