女神たち

私の好奇心が求めているのは　なぜ私なんかが存在しているのかという答です

なぜこの時空が存在し　なぜ大宇宙が存在し　なぜこのような姿で地球が存在し

なぜ人類が存在し　なぜ私が生きているのか

それが知りたくて　科学の本を読み続けてきました

しかし　もちろん納得できる答えにはいまだ出会ってはいません

それどころか　なんでそんな結論で納得してるの？と突込みたくなる本にも

けっこう出会ったりして　がっかりしています


だから　これは判っていないということを　はっきりすっきり述べている本書は

逆に　興味深く面白かったです

また　様々な科学論争の歴史は　どれほど学識ある科学者といえども

プライドが高く　自説の間違いを認めようとしない　人間の醜さの歴史だとわかりました

もちろん　優秀な研究者の方々が　地道な観測に忍耐をもって取り組んでおられることに

まったく頭が下がるのですが･･･


とにかく　宇宙論にしても　量子力学にしても

まだまだ　わかっていないことばかりで

著者は　現代物理学が破綻する可能性が　とまで述べています

こんな状況ですから　まあＳＦ作家のみなさんが　面白いお話を考え出す余地が

まだまだ　たくさん残っているともいえるので

そのあたりは　期待できますね


​​『言ってはいけない宇宙論 物理学７大タブー』​​

　著　者　小谷太郎

　発行所　幻冬舎　幻冬舎新書484

　初　版　2018年1月30日

　目　次

　　タブー１　陽子崩壊説
　　　　　　　素粒子界を支配するルールを探せ
　　　　　　　カミオカンデの憂鬱
　　　　　　　超新星１９８７Ａ

　　タブー２　ブラック・ホール大爆発
　　　　　　　奇妙な天体の発見
　　　　　　　エントロピーとホーキング放射
　　　　　　　ブラック・ホールと宇宙、それぞれの最後

　　タブー３　エヴェレットの多世界解釈
　　　　　　　量子力学の誕生
　　　　　　　多世界解釈あらわる

　　タブー４　異端の宇宙
　　　　　　　宇宙の記述に取り組む
　　　　　　　自由すぎる宇宙解の世界
　　　　　　　宇宙マイクロ波背景放射

　　タブー５　ダーク・マターとダーク・エネルギー
　　　　　　　「見えない物質」見つかる
　　　　　　　ダーク・マターの正体は何か？
　　　　　　　「見えないエネルギー」まで見つかる

　　タブー６　量子重力
　　　　　　　期待の量子重力理論
　　　　　　　ファンタスティックな「超ひも理論」

　　タブー７　人間原理
　　　　　　　宇宙原理と人間原理
　　　　　　　ゴット推定
　　　　　　　地球外生物はいるだろうか