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女神たち

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Mar 30, 2023
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カテゴリ:讀書録


著者の日本オリジナル短編集第2弾です

収録の9作品は どれも刺激的で傑作でした

そして 読みながら考えさせられることが多かったです

そのことは 巻末の坂村健氏の解説で 「Philosophy Fiction : 哲学小説」という言葉に出会って

目からウロコが落ちるように 納得してしまいました

私にとってSFとは 科学がもたらしてくれる驚異の世界

すなわち「センス・オブ・ワンダー」を楽しむためのものでした

しかし イーガン氏の諸作品は 未来の科学を扱い利用しながらも

その視線は変わることなく 今の私に向いている気がします

私は誰なのか 私の意識とは何なのか 私の感情はどこから来ているのか・・・

もちろん それらは簡単に答えが導き出されるものではありませんが

新しい視点をもたらしてくれて 考えさせられるものでした


​『しあわせの理由』​

 著 者 グレック・イーガン

 編・訳 山岸真

 発行所 早川書房 ハヤカワ文庫SF 1451

 初 版 2003年度7月31日

 収録作品

  『適切な愛』 Appropriate Love  (1991)
         列車事故で回復不能の大怪我を負った夫のクローン体ができるまで
   自分の胎内で夫の脳を生かし続ける妻の心理経過が重厚に描かれます

  『闇の中へ』 Into Darkness  (1992)
   由来が不明のワームホールが地上に接近して引き起こす災害の最中に
   そのワームホールに入り被害者を救出する役目を負った主人公が
   ミッション中におこなった行動がもたらすのは・・・

  『愛撫』 The Caress  (1990)
   豹と人間の女性のキメラが生み出された謎を探る捜査官が陥った罠

  『道徳的ウィルス学者』 The MOral Virologist  (1990)
   宗教的情熱から不道徳な人間を選択的に殺すウィルスを作り出した男の過ちとは
   人を幸せにする宗教が 世界中で悲劇をもたらしている事実に
   著者はかなりの憤りをもっているようですね

  『移相夢』 Transition Dreams  (1993)
   脳の活動全てをコンピュータにスキャンするときに見る夢があるという
   そうして スキャンされた意識とは 何?

  『チェルノブイリの聖母』 Our Lady of Chernobyl  (1994)
   高額で落札されたあと 行方不明になったイコンを探す依頼を受けた探偵の物語
   イーガン氏は ミステリ作家としても最高ですよね

  『ボーダー・ガード』 Border Giards  (1999)
   波動関数に支配された仮想ボールを使った量子サッカーの場面で
   カオスの中に投げ込まれましたが この作品のテーマは不死がもたらすものでしょうね

  『血を分わけた姉妹』 Blood Sisters  (1991)
   あたらしい感染症の治療をうけた双子の姉妹に降りかかった悲劇

  『そあわせの理由』 Reasons to be Cheerful  (1997)​​​​​​​​​
   私達人類はなぜ幸福なんて厄介なものを感じるようになってしまったのか
   脳のなかで様々な感情が生み出され それが人の行動さえも支配しているのは
   なぜなんだろう・・・





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Last updated  Mar 30, 2023 02:48:31 PM
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