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女神たち

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Apr 7, 2023
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カテゴリ:讀書録


事前情報でハリウッドで映画化が決まっていると知ってたし

ミッキーマウスを連想しちゃう 軽いタイトルから

ライトなアクションSFを想像して 軽い気持ちで読み始めたのですが・・・

たしかに主人公の言葉遣いも軽くて とてもスラスラ読めてしまいますが

内容はかなり深くて ハードSFのひとつの最前線なのかと感じました


主人公はある系外惑星への移民ミッションに参加したのですが

彼の役割は 危険MAXで致死率が高い仕事に専従し

死んだ場合は コピーし保存していた記憶と意識を クローンで作成した新たな身体にいれて

再び 同じポジションにつくという過酷なものでした

死んでも繰り返し新しい人生を生きるといえば

桜坂洋氏の『All You Need is Kill』を思い出しますが

本書の繰り返しの人生は 契約に基づいて死地に赴かなくてはならない悲惨な設定です

長い旅の末に辿りついた惑星で 過酷な物語が展開しますが・・・


しかし 本書の読みどころは アクションではなく

系外移民とか テラフォーミングとかの 過去数多の作品で使用されてきたギミックを

今日的な視点で 深く掘り下げている バックグラウンドにある気がします

アイザック・アシモフが いとも簡単に構築した銀河帝国でしたが

移民やテラフォーミングが どれほど困難な試みであるか

それなのに なぜ人類が地球を離れて 外に向かおうとしたのかが

しっかりと構築されていて ハードSF小説が取組むべきリアルがあるのかもしれません


このアクションだけに留まらない原作を あのポン・ジュノ監督が

どう料理するのか 楽しみになりました


​​『ミッキー7』​​ MICKEY7 (2022)

 著 者 エドワード・アシュトン

 訳 者 大谷真弓

 発行所 早川書房 ハヤカワ文庫SF 2395

 初 版 2023年1月25日





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Last updated  Apr 7, 2023 02:53:26 PM
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