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女神たち

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Apr 14, 2023
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カテゴリ:讀書録


2001年に 第二回日本SF新人賞を受賞した著者が

2001年と2003年に「SF Japan」誌に掲載された2作品に 書下しの2作品を加えて

20年の歳月の後に完結させた 連作短編集です

そして 著者10年ぶりの復帰(復活?)作品でもあります。

なぜ これだけのブランクがと思いますが 伴名練氏の解説によれば

当時の出版業界の荒波に飲み込まれたようで ほんと同情するしかないです


そんな経緯で出版された本書ですが

新人賞に違わない才能を感じさせる 濃厚かつスピーディーな展開に巻き込まれてしまいました

発端は 超能力を研究していたある施設で

アナベルという名の少女がとてつもない能力を発現させたこと

周辺のあらゆる物質を変容させてしまい しかもその能力を制御できなかったのです

そのとてつもない危険性に気付いた研究者達は 彼女を殺してしまいます

しかし その後も 彼女は出現し その出現した場所に 地獄のような厄災をもたらしたのです

本書の4つの作品は アナベルのもたらした凄惨な出来事とともに

アナベルを制圧すべく派遣される 超能力者の戦いを その心理まで深く描き出します


しかし これはSFと呼ぶには抵抗があります

悪魔に破壊的な力を与えられた魔術師を描くような ファンタージーではないのか

キングの『ファイヤースターター』のような ネオ・ホラーではないのか

あるいは『リング』の貞子のような ホラーではないのか

まあ 分類はどうでもいいというか 逆に ジャンル・ミックスした

面白い作品であるというのは間違いないでしょう

復活の谷口裕貴氏の これから発表される作品に期待大です (発表されますよね?)


​『アナベル・アノマリー』​

 著 者 谷口裕貴

 発行所 徳間書店 徳間文庫 た69-2

 初 版 2022年12月15日

 目 次

  『獣のヴィーナス』 (2001)

  『魔女のピエタ』 (2003)

  『姉妹のカノン』 書下し

  『左腕のピルグリム』 書下し





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Last updated  Feb 12, 2024 10:39:33 AM
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