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女神たち

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Mar 8, 2024
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カテゴリ:讀書録


非常に刺激的で 面白い本でした

このところ 宇宙論の本をいろいろと読んできましたが

どうも ダークマターとダークエネルギーの存在が 巨大な壁となって立ち塞がり

肝心な部分を 越えられなくて すっきりと謎に届きそうのない印象です

それに対して 私って何?という もうひとつの究極の疑問についても

意識や知能の出所である 脳について 研究がなかなか進まないのでしょうか

宇宙論に比べて 脳科学を解説した書物の 出版数も少ない気がしますし

タイトルで 脳科学の文字が使われていても

また ※※したら 脳のこの部分が活性化して ※※になる なんていう解説があっても

心理学に過ぎない内容だったりして がっかりすることもしばしばです


本書では 知能の根源を求めてきた 著者の研究の路程が まず語られます

彼が 注目したのは 新皮質という 哺乳類にしかない脳の組織です

その新皮質を構成するニューロン(脳細胞)の構造とネットワークを調べあげ

それが 知能にとって どのような働きをしているのか追求します

詳細な内容を書くのは このブログの目的ではないので これ以上は書きませんが

以上の第1部で記述された 脳の働きの精密さに 驚くばかりでした


そして 第2部では その第1部で得られた知見をもとに

AIや機械知能という存在について 切り込んでいき

さらに 第3部では SFではすっかりキーアイテムになっている

マインドアップロードや 脳とコンピュータの接続 マン=マシン・インターフェイスについて

問題点や可能性を考察していきます(批判的にですが)

さらにさらに その上で 著者は 滅ぶことが避けられない

人類の知性と膨大な知識の集積を 未来永劫に残すことまで 考えを広げていきます


正直言えば 著者はかなりの自信家のようであり えっと感じることもあり

第1部の新皮質の仕組みや働きについても 完全に解明されたとは思えないのですが

その説については 興味深かったですし 新たな知見を得られたと思います

脳という 謎に満ちた宇宙を もっと知りたいです


​​『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』​​
 A THOUSAND BRAINS A New Theory of Inteligence

 著 者 ジェフ・ホーキンス

 訳 者 大田直子

 発行所 早川書房

 初 版 2022年4月25日

 目 次

   序文 リチャード・ドーキンス
  第1部 ​脳についての新しい理解​
   第1章 古い脳と新しい脳
   第2章 ヴァーノン・マウントキャッスルのすばらしい発想
   第3章 頭の中の世界モデル
   第4章 脳がその秘密を明かす
   第5章 脳のなかの地図
   第6章 概念、言語、高度な思考
   第7章 知能の1000の脳理論
  第2部 ​機械の知能​
   第8章 なぜAIに「I」はないのか
   第9章 機械に意識があるのはどういうときか
   第10章 機械知能の未来
   第11章 機械知能による人類存亡のリスク
  第3部 ​人間の知能​
   第12章 誤った信念
   第13章 人間の知能による人類存亡のリスク
   第14章 脳と機械の融合
   第15章 人類の遺産計画
   第16章 遺伝子vs.知識






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Last updated  Mar 8, 2024 05:07:57 PM
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