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女神たち

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Mar 19, 2024
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テーマ:S-Fマガジン(37)
カテゴリ:SF雑誌


特集は「ミステリとSFの交差点」 なんでいまさらと思いますが

それより 問題作は 第11回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作

間宮改衣 作の​『ここはすべての夜明けまえ』​の 一挙掲載でした

大賞受賞の矢野アロウ 作​​『ホライズン・ゲート 事象の狩人』​​とは

まったくテイストの異なる作品ですが

円城塔氏や酉島伝法氏につらなる 21世紀の日本SFなのかも知れませんね

物語は ポスト・ヒューマンの翳りある未来を シニカルに描き出しますが

本質的には そのような未来でも変わることのない

家族というものの あからさまな姿を描きだすことにあるように読めてしまいました

家族は素晴らしいとか 家族が一番というような 幻想ではなく

児童虐待であったり 介護疲れからの殺人があったりする

家族であるが故の苦難や苦痛が存在する現実を 直視する眼差しが感じられました

たんなる 誤読かも知れませんが・・・


特集で掲載された短編は以下の4作品

荻堂顕 作​『detach』​

ゾンビものの変奏曲のようですが 主人公が魅力的で面白い

と 思ったら 刊行予定の長編のプロローグなんですと! やられた!

これは 刊行されたら直ちに読まないわけにはいきませんね 繰り返しになりますが やられた!

芦沢央 作​『魂婚心中』​

SFなのか幻想小説なのか よくわからない作品なんですが

ネットの配信で出会って 推して ガチ恋に至る過程が 今のリアルに感じられて恐ろしい

主人公の心理を理解することはできませんが・・・

大滝瓶太 作​『恋は呪術師』​

元来SFは科学的なアイデアを 物語に落とし込むことによって成立するもので

SF史の初期から アシモフなど ミステリの物語のうえにもSFは築かれてきたと思う

そこには あくまで擬似的なものかもしれませんが リアルがあったから

SFであり ミステリであったはずなのですが

本作のように 天使が登場するファンタジーのうえに ミステリは存在できるのか

本作を読む限りでは それは不可能な気がしました

森晶麿 作​『死人島の命題』​

そして ラストは 本格推理+特殊設置ミステリがきましたね

絶海の孤島 不思議な館 謎めいた大量殺人事件 と 定番のシチュエイション

そこに SF的な特殊設定と 不可思議な能力を持つ主人公と 正体不明の相棒

本作を読んで気付いたことが二つ

特殊設定と歌われていなくても そもそも 全ての本格推理小説そのものが

特殊設定なんだなということ 作者の設定した特殊な世界での物語りという意味で

そして 二つ目は やっぱり 私には 本格も特殊設定ミステリも 会わないという事実

本格好きの読者さんとは 思考形態そのものが違っているのでしょうね


いつものように 読んでいる連載小説は

吉上亮 作​『ヴェルト 第一部』​が 第四章

いつになったらSFになるの?と やきもきしながら読んでいますが

すでに ソクラテスとプラトンの問答に 興味津々になっています

ギリシヤ古代史には疎いので どこまで史実なのかもわかりませんが

哲学的な会話そのものに 魅力を感じています

しかし この作品 ほんとに いつかSFになるのでしょうか そこにも興味津々ではあります


評論・エッセイでは 大澤博隆氏のレポート 並びに 池澤春菜氏と大森望氏それぞれによる

第81回世界SF大会<成都ワールドコン>の記事が 面白かったです

最近中華SFにはまっていますが 中国が国家主導でSFを押し進めているのが

韓国のK-POP戦略にも似たものを感じました それでは日本は・・・?








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Last updated  Mar 19, 2024 11:55:32 AM
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