女神たち

先日『赦しへの四つの道』読んで感銘を受けたので

今まで　ル・グィン作品を　難しそうだなと　一作も読まずに来てしまったことを後悔しました

それで　代表作であり　オールタイム・ベストにも選ばれる本作を

遅まきながら手に取りました　そして　やっぱりこの傑作を読まずにいたことを後悔しました


「ハイニッシュ・ユニバース」と呼ばれるこのシリーズ

その世界観にまず圧倒され

本作の舞台である　惑星ゲセンの自然環境と　両性具有である住民の特質や

歴史・政治・文化などの人類学的な詳細が　まるで実在するかのように　余すところなく描かれていて

作者の想像力と構成力のすごさに　ただただ感服いたしました

そして　その背景の中で描き出される　主人公を初めとする登場人物の心理描写

ＳＦといえども　結局は人間をいかに考察し描写するかが　物語というものの本質であることを

あらためて　教えられました


昨年は新刊中心に読んできましたが　このような読み残してきた作品群を

今年は　もっと積極的に読んでいきたいなと思っています


​​『闇の左手』​​
　The Left Hand of Darkness (1969)

　著　者　アーシュラ・Ｋ・ル・グィン

　訳　者　小尾芙佐

　発行所　早川書房　ハヤカワ文庫ＳＦ 252

　初　版　1978年9月30日

　目　次
　　　１　エルヘンラングの行進
　　　２　ブリザードのこちら
　　　３　狂気の王
　　　４　十九の日
　　　５　予知の統御
　　　６　オルゴレインへの片道旅行
　　　７　性の問題
　　　８　オルゴレインへの別途
　　　９　叛逆者エストラーベン
　　　10　ミシュノリでの対話
　　　11　ミシュノリでの独白
　　　12　時と闇に関して
　　　13　捕らえられ更正施設へ
　　　14　逃亡
　　　15　氷原へ
　　　16　ドルムネルとドレメゴーレの間
　　　17　オルゴレインの創生伝説
　　　18　氷原の上で
　　　19　帰還
　　　20　愚者の使い