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テーマ:国内長編SF小説(38)
カテゴリ:讀書録
いやいや 手強い作品でした そもそも 酉島伝法氏は デビュー作の『皆勤の徒』で出会ったものの 当時の私は その奇怪な世界に馴染めず 円城塔氏とともに 苦手作家と位置づけ その後 二度も日本SF大賞を受賞されたことも知っていながら 手を出してこなかったどころか お名前を見かけても 頭の中で「にしじま」と読む始末 苦手意識は なかなか抜けるものではありませんでした しかし このところ読書世界が拡大しつつありますので この新作に恐る恐る手をだしました ところが 読み始めてすぐに 氏特有のアナグラムのような漢字の造語が創りあげる 謎の世界になかなか溶け込めず やはり自分には無理かなと 諦めの気持ちも湧き上がりました でも そこをなんとか乗り越えていくなかで 人類の末裔なのか そうでないのかも不明な人々の暮らす まるで神話のような 斬新な世界の構造と 住人たちの奇妙な生態が 少しづつ解き解されていくにつれて この世界で懸命に生きる人々に仮託された 世界の枠組みと歴史に拘泥された社会での ある家族が辿った歴史物語に心動かされました それにしても これほど壮大な世界を創造し そこに生きる人々を書き分け描写できる 酉島伝法という作家は 天才なのでしょうね 『奏で手のヌフレツン』 著 者 酉島伝法 発行所 河出書房新社 初 版 2023年11月30日 目 次 序 第一部 解き手のジラァンゼ 第二部 奏で手のヌフレツン 起 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 10, 2024 02:53:08 PM
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