「悪人」 吉田修一
>今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。 大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。 自分には失うものがなかっち。 それで自分が強うなった気になっとる。 失うものもなければ、欲しいものもない。 だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、 失ったり、欲しかったり 一喜一憂する人間を、 馬鹿にした目で眺めとる。 そうじゃなかとよ。 本当はそれじゃ駄目とよ。文庫上下巻のおしまいのほうに出てくるセリフ淡々と話がすすみながら なぜだか どうにも 読まずにはいられなくなる・・・作り手の罠にはまっていく快感あり意外な結末でした(ネタバレになっちゃいますね)全く想像しなかったどの登場人物も 自分はこんなんじゃない と 思うのですがよくよく考えると そういうところ あるかも と 思ってしまう主人公の母は 本当にひどいヤツで あり得ないって 読んでいるときは思っているのですが読後に彼女の言い訳を反芻してみると自分も同じような言い訳をすることがあると 思い当ってしまったそれから登場人物 ひとりひとりを読み返してみるとほとんどの人の特化した部分に必ず思い当たることがあるこの本は絶対にいいよ ぜひ読んでと勧めてくれたのは学生時代の先輩東野圭吾「容疑者Xの献身」も絶賛だったので アタシは好きではない と 言い放ったらこれを読むべし と言葉にできない思い・・・たぶんそれは善意と同質のものからくるもの・・・が読中 ヒタヒタと音をたてずに流れつづけ好きな一冊映画化されるそうだけれど主人公は妻夫木聡んー 彼には裏切りの歴史ありだからなぁ~(CMも含め出演作品にイマイチが多いんだよ)たぶん見ないだろなぁ~