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旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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なでしこ3779

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 ギャラリー なでしこ


邦画の館   増村保三監督の千羽鶴


1.≪青い山脈≫2.≪郷愁≫


 1≪浮雲≫2.≪稲妻≫


≪安城家の舞踏会≫ ≪夜の蝶≫


監督川島雄三.作品≪雁の寺≫


1≪東京物語≫   2.≪お茶漬けの味≫


1≪二十四の瞳≫  2.≪遠い雲≫


木下恵介の≪喜びも悲しみも幾年月≫


1.≪本日休診≫2.≪細雪≫


永遠の恋人.笠 智衆!


北原三枝とローレン.バコール!


1.≪香華≫2.≪野菊の如き君なりき≫


黒澤明の1.≪白痴≫2.≪生きる≫


吉村公三郎   ≪偽れる盛装≫


≪キューポラのある町≫≪私が棄てた女≫


≪陽のあたる坂道≫≪傷だらけの山河≫


≪日本の夜と霧≫≪青春残酷物語≫


吉村公三郎監督の ≪越前竹人形≫


小栗康平監督の  ≪泥の河≫


豊田四郎監督の1≪雁≫2≪ボク東奇談≫


黒澤明 1.≪用心棒≫2.≪姿 三四郎≫


小津監督≪東京暮色≫≪戸田家の兄弟≫


溝口健二≪祇園の姉妹≫《武蔵野夫人》


1.≪忍ぶ川≫2.≪サンダ館八番娼館≫


市川崑監督の  旧作《ビルマの竪琴》


豊田四郎監督の  ≪雪国≫


 中村登監督 1.≪紀ノ川≫2。≪古都≫


田坂具隆1≪五番町夕霧楼≫2.≪湖の琴≫


≪秋津温泉と浮雲≫≪辻が花≫


大庭秀雄監督1.≪帰郷≫2.≪京化粧≫


五所平之助監督1.≪挽歌≫2.≪わが愛≫


衣笠貞之助監督の  ≪白鷺≫


篠田正浩監督の  ≪美しさと哀しみと≫


小津監督≪彼岸花≫≪小早川家の秋≫


成瀬監督  ≪妻として女として≫


木下恵介1≪女の園≫2.≪永遠の人≫


家城巳代冶監督の  ≪異母兄弟≫


今井正監督1.≪米≫2≪ここに泉あり≫


山本薩夫監督の  ≪荷車の歌≫


≪狂った果実≫≪三羽烏3代記≫


伊藤大輔監督の  ≪王将≫


<海と毒薬>≪にあんちゃん≫


溝口健二≪雨月物語≫≪近松物語≫


小津作品<お早よう>。


溝口健二≪祇園囃子≫


吉村公三郎≪西陣の姉妹≫≪婚期≫


市川崑監督1.≪おとうと≫2.≪日本橋≫


ハリウッド映画..映画の観方


愛の名場面     洋画と邦画


D.リーンとB,ワイルダー


ビング.クロスビー、≪我が道を往く≫


≪聖メリーの鐘≫と≪ホワイト.クリスマ≫


≪荒野の決闘≫対≪O.K牧場の決闘≫


気品と優雅さ..グレース.ケリー


マルクス三兄弟


『間諜x27』.M.デートリッヒ


『去年の夏突然に』T.ウイリアムズ


『熱いトタン屋根の猫』T.ウイリアムズ


『欲望という名の電車』T.ウイリアムズ


リズ、テイーラー ≪陽のあたる場所≫


≪雨の朝巴里に死す≫≪愛情の花咲く樹≫


エルヴイス.プレスリー≪ブルーハワイ≫


ポール.ニューマン、≪栄光への脱出≫


ウイリアム.ホールデン≪ピクニック≫


エリア..カザン ≪草原の輝き≫


≪イヴ゙の総て≫


≪セールスマンの死≫


S.ルメット監督の ≪女優志願≫


G.ガルボの≪グランド.ホテル≫


≪歴史は夜作られる≫


≪サンセット大通り≫


サイレント映画の≪ピーター.パン≫


≪凱旋門≫


≪悲しみよ今日は≫


≪いるかに乗った少年、島の女≫


≪亡命監督たちの系譜≫


≪キャサリーン・ヘプバーン≫


≪いそしぎ≫と≪パリのめぐり遭い≫


≪山≫


≪波止場≫


≪旅愁≫


≪忘れじの面影≫


≪ジュリア≫


チャップリンの≪伯爵夫人≫


≪ステージ.ドア≫


≪黄金の腕≫と≪失われた週末≫


≪お茶と同情≫


≪モガンボ≫


≪ライムライト≫


エリア.カザン ≪紳士協定≫


≪アフリカの女王≫


≪ケイン号の叛乱≫


≪怒りの葡萄≫


≪裸足の伯爵夫人≫


素晴らしき日曜日


サスペンスの館


A.J.クルーゾー≪悪魔のような女≫


、≪落ちた偶像≫


(五瓣の椿)(日).(黒衣の花嫁)(仏)


眼の壁    霧の旗


『情婦』 ≪第十七捕虜収容所≫ 


(飢餓海峡)(砂の器)(天国と地獄)


第三の男 恐怖の報酬 太陽がいっぱい


松本清張映画化作品


野村芳太郎監督の ≪背徳のメス≫ 


≪黒の切り札≫ 田宮二郎


≪十二人の怒れる男≫シ


≪ガス燈≫


゙≪自殺への契約書≫


≪裸の町≫


≪生きていた男≫


R.シオドマク.≪らせん階段≫


≪マルタの鷹≫


≪ケイン号の叛乱≫ボギー


F.ラング.≪死刑執行人もまた死す≫


野村芳太郎、≪張り込み≫


A.リトヴアク.≪将軍たちの夜≫


≪刑事≫


ギャバンの≪現金に手を出すな≫


≪嘆きのテレーズ≫


≪ナイアガラ≫


≪針の眼≫


≪何がジェーンに起こったか?≫


F.ジンネマン監督≪日曜日には鼠を殺せ≫


≪薔薇の名前≫


フランス映画の宮殿


かくも長き不在  過去を持つ愛情


フランス映画の流れ


ジャック.フエデー≪女だけの都≫


ルネ.クレールの≪パリの屋根の下≫


ジャン.ルノワールの≪大いなる幻影≫


J.デヴイヴイエの≪望郷≫


ルネ.クレールの≪夜の騎士道≫


J.デヴイヴイエの≪旅路の果て≫


アンドレ.カイヤットの≪眼には眼を≫


マルセル.カミユの≪黒いオルフエ


≪アイドルを探せ≫


フイルム.ノワールとヌーベルバーグ


≪情婦マノン≫


ルネ.クレマンの≪居酒屋≫


J.ベッケルの≪モンパルナスの灯≫


≪パリの空の下セーヌは流れる≫


C.ルルーシュの≪男と女≫


ゴダールの気狂いピエロ


≪マドモアゼル≫


≪リュミエールの子供達≫


≪ロシュフオールの恋人達≫


ジャン.ポール.ベルモンドのこと


カトリーヌ.ドヌーブ


トリュホーの≪暗くなるまでこの恋を≫


ドヌーブの≪別離≫


ブルにエルの≪哀しみのトリスターナ≫


≪洪水の前≫


≪天井桟敷の人々≫


アラン.ドロンの部屋


≪地下室のメロデイー≫


≪サムライ≫


≪名誉と栄光のためでなく≫


≪冒険者たち≫


≪若者のすべて≫Ⅰ


≪若者のすべて≫Ⅱ


≪ゾロ≫


≪太陽がいっぱい≫


≪危険がいっぱい≫


≪ボルサリーノⅠ、Ⅱ≫


フリック.ストーリー


≪さらば友よ≫


≪暗黒街のふたり≫


≪山猫≫


≪ハーフ.ア.チャンス≫


≪パリは燃えているか≫


≪パリの灯は遠く≫


≪生きる歓び≫


≪危険なささやき≫


≪チェイサー≫


≪もういちど愛して≫


≪鷹≫


≪暗殺者のメロデイー≫


≪私刑警察≫


アランのフアッション


≪ビッグ.ガン≫


≪ル.ジタン≫


≪仁義≫


≪高校教師≫


<プレステージ>


<個人生活>


<お嬢さんお手やわらかに>


<最後の標的>


<真夜中のミラージュ>


<スコルピオ>


<ポーカーフエイス>


<シシリアン>


≪シネマ.ベルリンのピアノ≫


≪帰らざる夜明け≫


≪ブーメランのように≫


≪レッド.サン≫


≪燃えつきた納屋≫


≪太陽はひとりぼっち≫


≪リスボン特急≫


≪黙って抱いて≫


≪太陽が知っている≫


≪テヘラン≫


≪愛人関係≫


兇悪の街


未知の戦場


悪魔のようなあなた


カサノバ最後の恋


友よ静かに死ね


世にも怪奇な物語


イタリア映画の流れ


デシーカの≪ひまわり≫


ヴイスコンテイの≪夏の嵐≫


ヴイスコンテイの≪山猫≫


ヴイスコンテイの≪ベニスに死す≫


≪ブーベの恋人≫


≪にがい米≫


時代劇諸作品の長屋


お薦めの本


千家再興、千家奔流、千家分流


長編ドラマ


≪ホロコースト≫連続一回~三回


≪ホロコースト≫連載四回~六回


オードリー.ヘップバーンの部屋


≪昼下がりの情事≫


麗しのサブリナローマの休日


≪尼僧物語≫


≪噂の二人≫


≪パリの恋人≫≪シャレード≫


華麗なる女優達の系譜1≪モロッコ≫


グレタ.ガルボ≪椿姫≫≪ニノチカ≫


≪嘆きの天使≫


デートリッヒとガルボ


≪或る夜の出来事≫≪心の旅路≫


アナベラ。。ヴィヴィアン・リー


≪外人部隊≫と≪モロッコ≫


ダニエル.ダリューとE・バーグマン


≪大砂塵≫≪招かれざる客≫


ジーン・アーサージェニファー・ジョーンズ


グレース・ケリー、エヴァ・ガードナー


オリビア・デ・ハヴィランド


ヒッチコック作品


≪三十九夜≫≪バルカン超特急≫


≪第三逃亡者≫≪舞台恐怖症≫


≪間違えられた男≫≪引き裂かれたカーテン


見知らぬ乗客 パラダイン夫人の恋


2005年02月21日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
長らくのお休みでした。
友人が1970年から1990年代にかけての
ビデオをボール箱いっぱい持ってきてくれて
がんがん見まくっておりました。

話題作以外、いや殆どと言っていいほど見ておりませんでしたので
一気に見てしまいました。

それによってまた、旧作の価値などを再認識もできましたし、
時代の流れによる映画の変化というものも少し把握できたように思います。
そして、まだまだ見てみたいものが出てきました。

わたしのページは旧い映画のページでありますので
新しい作品の紹介はしないと思いますが、
見たことによって今まで気づかなかったものが
見えてきました。

100本観たぐらいのものですので
たいした収穫もないかもしれませんが
それでも目からうろこの状態にはなったんですね。
食わずギライのニューシネマはアウトローを
ヒーローとした作品。
それが一段落した新しい形の根性物や政治サスペンスへと
なんと新鮮だったか!

はっきりと把握できていなかった男優、女優もようやく
覚えたし、結構面白く見ました。

これらを見たことでアメリカ史を知らなくてはと
学生時代の世界史を引っ張り出して
1700年代から独立時代、そして州がどんな経緯で
増えていったか、そしてアメリカ地図を画いて
どういう順番で州に認められて行ったか?
1776年から1952年の50番目のハワイ州まで、
番号を付けていってみました。

面白いですね。
そうする事で同じ西部劇や南北戦争ものの時代背景と
場所の確認を掴む事が出来ましたし、
政治サスペンスも時代の変化で
複雑かつ面白くなり、
改めてみる映画の確実な面白さに
気づく事も出来ました。

学生時代になにを勉強していたのでしょう??と
我ながら恥ずかしい限りでした。

これは今、もう少し突っ込んで勉強しています。
西部劇も政治サスペンスもこの背景と場所の確認がしっかりと
つかめていないと
旧作でも新しいものでも
薄っぺらな見方に終わってしまうことは
前々から感じていましたのでいい機会だと思っています。

それに吊られて
ドイツや、イタリヤ、スペイン、イギリス
ロシアの歴史へと今お勉強が広がっているんですよ。

年始めにABC順に俳優をピックアップして
日記をまとめようと思って書き始めましたが、
アレも書きたいこれも書きたいと...どうもまどろっかしいので、
やはりランダムに作品を選んで書こうと思います.

今、BS2では
なでしこで紹介した作品が次々に放映されていますね。
みなさま、見ていらっしゃいますか??
今夜は深夜に”戦場にかける橋”が放映されますね。
先日の”その男ゾルバ”、如何でしたかしら??

”チャイナタウン”は同じ年に”ゴッドファーザー2”が
封切られたために霞んでしまったようですが
ニコルソンはこの作品が一番いいんじゃないかしら??
ロマン.ポランスキーの絶品でしたよね。

私の方は、

今夜はサスペンス映画の原点とも言われている
フリッツ.ラング監督の作品  ”M”を取り上げてみます.

この作品ですが、今日本でも頻繁に起こっている
性格異常者による少女殺人事件がポイントなのですが、
それだけに終わらない奥の深い作品なんです。

主役のピーター・ローレはこの作品の殺人犯の役で有名になり
イギリス、アメリカで
ヒッチコックの作品や、ジョン.ヒューストン監督の
”マルタの鷹”などに出演していきます。
この作品では彼の形相は作品の犯人の不気味さを盛り上げまさに
ぴたりとはまっていました。

”M”を撮り終えて
ラング監督はすぐにパリへ亡命するわけですが
これがこの映画の重要なポイントになります。

MはmurderのM.

少女の殺人場面もなく、
犯人の登場も映画の中盤以降。
だけども、怪奇性を感じさせるラングの手腕。

警察に犯人逮捕を任せておけないと
市民を含んだそれぞれすねに傷をもつ者、暗黒街の顔役たちが
犯人像を分析していく過程が殆どである。

この両者別々の談義が交互に映されていく仕組み。

殺人者の特徴はどうも少女を連れ去る時に聞こえる
口笛の音。
ストーリーの中盤、盲目の風船売りが
口笛の音を聞いて
前に居なくなった少女に
風船を買ったやった男がこの口笛を吹いていた事に
気づく展開。

見つけた犯人を市民がリレーで追うわけですが
見失わないようにと
犯人の背中にチョークで本人にわからないように
”M”の印をつけるくだりは上手いですねえ。

逃げて逃げてあるビルの倉庫に逃げ込む。

それを金庫破りの名人が
倉庫の上の床を電気ドリルで掘ってゆき
警察に捕まる。
警察は彼らが集団で犯人を追い込んでそれぞれ
倉庫へ向けてあの手この手で近づこうとしている事には
気づいていないので、
この金庫破りを尋問するくだりは
あのドロン作品の”さらば友よ”のブロンソンを逆彷彿させられ
思わず笑った。
ドロン作品もこれ頂いたのかなあ・・ってね・

作品が作られたのは1931年度。
ドイツではワイマール共和国が終わりを告げようとする
ヒンデンブルグ大統領下にあり、ヒトラー率いる労働党が
のし上がりつつある頃です。

この映画に登場する警察は間違いなくワイマール共和国の象徴であり、
市民を率いる暗黒街の輩はヒトラー政権の象徴であると思います。

犯人はこの双方の社会に属する事の出来ないはみだし者で
ラング自身の化身とも思われます。

映画の中心は双方の喧喧諤諤とした会話で
犯人像に近づいていく過程の談義だと書きましたが
まさにワイマールとヒトラーの思想談義だと
取れるわけ。

犯人は日常的には子供が好きで普通の人物であるから
人々は気づかないのだという結論に達していくわけですが
犯人を自分たちの手で捕まえ、人民裁判をしようとする。

警察はと言えば
左、右 の中間といった思想のなかで論じてゆくわけです。

そうやってとうとう市民は犯人を捕らえ
廃墟ビルの一室で人民裁判を行う。

少女と一緒にいると安らぐ・・が
途中でどうしようもない恐怖にかられ殺してしまう。
そして殺した時のことは覚えていない。。が
殺した事実は自分でもわかっている犯人。

つまり犯人をラング自身に置き換えると
ワイマールにもヒトラーにもついて行けず、
身の置き場のない恐怖を感じているわけだ。

”死刑だ!”という娘を殺された母の叫び。
総立ちになる市民。

だが、弁護士は言う。
あなた方も国家も
この者を捌く権利はない。人民裁判はあってはならない。
警察に渡すべきだと・
  ”警察だ、手を上げろ”..と
乗り込んできた警察に手を上げるのは
犯人ではなく市民全員だったのでした。

そして最後にメッセージが出る.
”親はどんな時にも子供から目を離してはならない、
親が守るべきだ”と・

しかしこれはこの映画の言いたい事でもないように思われる。
ある意味では本当ではあるが。

まだ、ヒトラーの殺戮は始まってはいない年であるから
このときにこののちのヒトラー政権を予測したラング。
そしてまさに現代の幼女殺人事件をめぐって
法務大臣への批判や殺人者予備軍の野放しへの疑問等で
騒がれている今の日本の抱えている問題を
この時代に取り組んだラングの碧眼はすごい。

ドイツでのラングはぞくぞくする怪奇的な映像とともに
いろんな要素を散りばめたこれぞサスペンスという一級の作品を
ぜひご覧になってください。

パリに亡命してから後、ハリウッドに招かれて
撮った作品”死刑執行人もまた死す”はなでしこでも
紹介済みです。
ぜひご覧になってくださいね。

彼の生まれた19世紀末のウイーンの雰囲気と
妙にマッチした彼独特の異常な世界は
古さを全く感じさせないものであり、
切れ味の良い、歯切れの良い運びの脚本は
夫人の共同も多く、この作品もしかり。
素晴らしいの一言である。


1931年度、ドイツ作品。





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最終更新日  2005年02月21日 14時26分19秒
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