漫画感想(綺譚倶楽部 帰の章 壱)
『綺譚倶楽部 帰の章 壱』JET 朝日新聞社 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 660円+税 いつも行かない本屋さんに行ったら、綺譚倶楽部の新刊が出ていたので購入。JETは最近、ハーレクイン系やミステリ系の原作付きしか読んでいなかったから、オリジナルは久しぶり。ハーレクイン系も悪くないけど、綺譚倶楽部の方が好きです。でも、正直、倫敦魔魍街や十兵衛紅変化の方を先に何とかして欲しい……。 綺譚倶楽部は、あっちこっちから出たから、1巻を何冊持ってるか自分でも判らない(笑)そして、どれとどれで同じ話がカブって収録されているのかもよくわからない(笑)メディウム、ハロウィン少女コミック館、眠れぬ夜の奇妙な話コミックス、あと、B5版だったか大きいのもあったなあ。文庫版もでましたが、文庫が網羅しているなら買い直そうかしら……。 とりあえず、この「帰の章 壱」に収録されている6話は全お初。ネムキをたまに買うので、そういう意味では読んだ話もありましたが。「ワタシノカワイイオトモダチ」 お友だちをほしがる布子人形の話、且つ、雅夢帰還話「咲クヤ蠱ノハナ」 見たこともない毒々しい植物。その味に魅せられた男の話「ま々ならぬもの」 巨大な蜘蛛にでも襲われた様な男の死体と花蝶という芸妓の話「おすそわけ」 老女とあんこが好きな百黒さんと呼ばれる老犬の話「物影の隣人」 花蝶姐さん再登場。8Pの掌編。正夢の狐シルエットが可愛い。「お世話になりまして」 小介の知人、源さんが妻の写真を求める話私の好みは「おすそわけ」。百黒さんがかわいいのに怖いし、タイトルが秀逸。読み終わった後にもう1回タイトルをみて、ぞくっとしました。綺譚倶楽部らしいのは「ワタシノカワイイオトモダチ」あたりでしょうかね。まあ、連載再開でこのシリーズを知らない人へのご紹介的な意味の1作でしょう。雅夢の人外っぷりの説明と、猟奇的な要素と、人の心と人外の心のもの哀しさを詰め込んだ、綺譚倶楽部好き的には読んで安心な話です。