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テーマ:デザインコラム(294)
カテゴリ:物・モノ・もの
久しぶりの椅子の話ですが
隠れた名作椅子ってご存知ですか? 世界中で使われていて 誰でも一度は座ったことがあるほどの椅子 一応、パイプ椅子は除きます(笑) えっ! イームズ?ウェグナー?ヤコブセン? いやいや! トーネットNo.14 通称「カフェチェア」と呼ばれるのがその椅子 なんと1859年に発表されてから現在でも製造され すでに2億脚以上販売されているそうで ミヒャエル・トーネット(1796~1871) オーストリアの家具職人 彼はブナの丸棒を蒸気で蒸しながら曲げる 曲木(ベントウッド)の技法を確立しました それまで木で曲面を作るには 薄い板を積層し貼り合わせて(ベニア工法)削るか 無垢の塊から削り出すしか方法が無く 大変コストと手間が掛かってました ところが曲木では繊維が切られないので丈夫で軽く 型さえ作れば自由な曲線を描くこともできるため デザイン性も広がることに また、トーネットはもうひとつの革新的な技術 ノックダウン(組立て、分解ができる)構造を取り入れた ※No.14はパーツ数6個 なにしろそれまでの椅子は高度な技術で 職人が一脚ずつコツコツと作っていたのが 組立て式にすることで、各パーツごと個別に分け 特殊な技術のない作業員にも製作でき 初めて家具の工業製品化に成功したわけです また、故障したときにそのパーツだけ交換すれば良いという アフターケアまで考えられていた まぁ、今では当たり前ですが 当時としては凄かったんです(笑) その上、1立方メートル(1m×1m×1m)の箱に 分解すると36脚分も入るという 流通にも優れていたため ちょうど一般市民がコーヒーを飲めるようになった カフェブーム真っ只中のヨーロッパで 大量に使われました ※当時で年間100万脚以上の販売 この事がが一般市民が椅子に座るきっかけとなり 権威=椅子という意識が崩れ アート&クラフツ運動、ユーゲントスティル(アール・ヌーヴォー) へと繋がっていくんですが まぁ、それは別の機会で・・・ でも、カフェのようにたくさん椅子が必要であれば 安くて丈夫で座り心地が良いのは当たり前として なるべくシンプルで背も視覚的に邪魔にならない形なのが この椅子の人気の理由かもしれないですね それにしても、トーネット社オリジナルで2億脚でしょ パクリモノもたくさん見かけるから 想像も付かない脚数出回ってるんだろうなぁ(笑) 黒か濃い焦茶に染色した木地で 座がラタン(籐)の編んだやつが良い感じですが 現在は良いラタンが入手困難だそうで 一部ドイツ生産モデル以外は合板か布張りの座になってしまってます また、ノット・チェア 214Kという 曲木の技術を見せてやる!っていう No.14の前脚1本に結び目を作ったモデルも面白いです トーネット社 http://www.thonet.at/ AIDEC http://www.aidec.jp/ ※画像はAIDECからお借りしてます そういえば、今発売中の雑誌『Pen』に No.14ではないですがNo.6009の「ウィーンチェア」が紹介されてます 実はデザインは息子のアウグスト・トーネットなんだけど 親父の作品と思われている(笑) なを、特集の「職人という仕事」も面白いので 興味ある方はぜひ御覧ください おぉ!楽天ブックスで扱ってた 最近恒例の楽天パ○リ商品探し(爆) 秋田木工はちゃんとしてるからいいとして・・・ いろいろあるけど止めておこう(笑) ほぉ~!スチールだとココまで細く作れるんだ って・・・形同じだし そもそも楽天でトーネット社のを扱ってるところがないようだ(爆) 椅子好きな方はこんな文庫サイズので持ってると何かと便利かも・・・ nagoo 本館 http://www1.odn.ne.jp/nagoo/index.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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