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2019.03.02
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カテゴリ:神社仏閣・御朱印
名古屋市南区岩戸町
笠寺台地の縁に位置し、潮が満ちると島の様にも見える事から「松巨島」と呼ばれ
太古はここから西に遠浅の干潟が広がり、眺望の良さから「あゆち潟」と呼ばれ、県名の由来になったと言われます


埋め立てにより海岸線は遥か彼方となり、現在は細い路地の続く住宅地に変貌、かつての様相を
感じさせるものはなくなりました
「白毫寺」は笠寺台地の西外れの高台に鎮座します、ここから西は緩やかに下っていきます

上段
「白毫寺」の山門入口、境内には楠の巨木が聳えています
石垣沿いに下る坂は東海道が整備されるまで交通の主要なルートであったと云われ、松巨嶋から伸びていた道はここから下り、その先の船着き場へと続く、こうして見ると面影が漂います
下段
境内入口に掲げられた「南区史跡散策路」の案内板

「白毫寺」山門
「年魚市潟勝景跡」の解説板
これによると「嘗てのあゆち潟を展望できる場所の一部として昭和48年に市指定の名勝とされた」そうな

瓦葺きのどっしりした重厚な作りの山門
山門に掲げられている山号扁額、本堂は元緑年間に建立されます
戦争で焼失後、庫裡の改築と共にこの山門が建立された様です

山門左の楠の下に地蔵堂があり、一体の地蔵菩薩が祀られていますがいつ彫られたものか年代は不明です

山門から境内へ
上段 正面に本堂、右が庫裏(寺務所)になるようです
下段 庫裏(寺務所)全景

本堂を正面から見た印象は、屋根の勾配が緩やかに下がり、広がりを感じるフォルムです
鳥が飛び立つ様にも見え美しい
両脇で本堂を守護する狛犬達

本堂の寺号扁額と堂内
「白毫寺」
宗派 /  曹洞宗
山号 / 眉間山
開基 /  1571年(元亀2)
本尊  /   阿弥陀如来

写真左
本堂右に一段高く盛られた上の自然石は春風塚と呼ばれ、「春風や 戸部山崎の やねの苔」と彫られています
松尾芭蕉が西国を巡る途中、東海道の山崎村、戸部村を経て白毫寺近隣で休息した際に詠まれた句とされ、当時の集落の様子が窺えます

本堂から左に道が伸び、その先に稲荷が祀られています
更に進み境内突き当りに「年魚市潟勝景碑」の碑が建つ(大正9年愛知県建設)
碑から西は崖となり、眼下にあゆち潟が広がり、遠く知多を望む様子をイメージすることが出来ます
松巨嶋と呼ばれた頃の笠寺台地は和歌や万葉集で詠まれた景勝の地で近隣の​「桜田八幡社」​等にもこうした碑が残ります

また、ここ白毫寺は尾張名所図会に桟敷山と呼ばれ、京に上洛する頼朝がここで休息したとも記されます
この辺りは​龍泉寺​の源頼朝産湯の井「亀井水」始め、頼朝と所縁のある寺が残ります

下段右 黒田清綱歌碑
大正天皇即位の際に大嘗祭式場の屏風に年魚市潟と桜田の絵が描かれたそうです
清綱が「わたつみの 神もほぐらし年魚市潟 ちたの浦なみ千代の声して」の歌を記した事から年魚市潟が知られるようになったといわれます 
下段右 万葉歌碑 
「年魚市潟 潮干にけらし 知多の浦に 朝こぐ舟も沖に寄る見ゆ」

万葉歌碑の右手の観音像と夕陽に照らされる本堂

あゆち潟に沈む夕陽を浴び瓦も赤く染まり始めました


山門脇の樹齢を重ねた楠木の巨木
松巨嶋の移り変わりを見てきたのかも知れません

白毫寺
住所 / 名古屋市南区岩戸町7-19
アクセス / ​名鉄名古屋本線「呼続」下車、南へ徒歩10分






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Last updated  2019.05.09 10:02:20
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