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カテゴリ:神社仏閣・御朱印
名古屋市東区泉3
マンションや住宅の密集する一帯の小さな一画に社殿を構える「松山神社」。 名の由来はその昔この辺りは松の樹が生い茂る広大な山林だったことから「松山」神社と付いたらしい。 現況を見る限り、とてもそんなイメージが湧きたつことはない。 松山神社社頭全景、後方のビルに対し、古風な建物に目が行く。 まるで旅館の様な佇まいの建物は松山神社の社務所。 この一画だけが時間の流れに取り残されたかのようでもある。 松山神社の参道は西側を向いて神明鳥居が建つこちらの参道と、南に鳥居を構えた脇参道の二カ所があり、どちらも鳥居と社号標が建っています。 どちらが表参道かと云えば、西側を向いて拝殿を正面に見るこちらが表という事でいいのだろう。 鳥居の右に掲げられた松山神社の略記。 それによれば 「当社は名古屋市東区泉3-2-29に在り。 此の地往古は松樹繁茂せる広大なる山林なり。 因って松山神社といい、近世天道宮、天道社又は松山天道とも呼べり。 創立年代不詳。大永年中羽前羽黒山の修験隆海之を再興し、守護すること30余年二代…海の後社殿大に荒廃す。 元和年中美濃久々利の修験秀恵重興し且つ寿命院を建立別当となる。 以来藩主の命に依り祈願所となり、崇敬篤く元文3年5月、御紋付の挑燈を寄付せらる。 明治の初年村社に列し、別当を廃して祠掌を置く。 祭神中央は天照皇大神、右は品陀別命、左は市杵島姫命なり。 社殿は神殿、拝殿、神饌所、神楽殿、社務所あり、境内に加茂社、猿田彦社、天神社、秋葉社、津島社、福守稲荷社がある。 例大祭は10月14、15日、月次祭毎月1、15日 他に5月14日に大祭、7月1日赤丸神事、7月25日茅輪神事がある。 古来土地の氏神として一般の崇敬篤く家内安全、商売繁盛、学業成就、開運厄除の守護神として広く庶民に信仰されている。昭和54年10月吉辰」 と記されています。 このあたりで熊野、白山、秋葉、御嶽は馴染みのあるところですが、出羽三山の一つ羽黒山は馴染みがありません。大永年中(1521~ 1528年)に遥か遠く羽黒派修験者がこの地を訪れ再興したとあり、現在の松山神社の前進は更に以前からとなるようです。 間口は狭く境内は狭い印象を受けます、後方の大きな入母屋屋根の円明寺とは背中合わせとなり、奥がない分、境内は右に広がり、鍋谷町通り沿いの脇参道へと続き、意外に狭さは感じません。 境内すぐ右側に鍋谷町の石標があり、その奥に手水舎、手水鉢があり「恵の水」と書かれています。 龍口から勢いよく清水が注がれています。 井戸水なのだろうか、松山神社創建以前からあり、枯れる事のない井戸として珍重されたらしい。 願い事が叶う不思議な水のようです。 銅葺屋根で入母屋造の拝殿は神殿へとつながり、手前には狛犬が守護しています。 拝殿右手ら稲荷鳥居と右に境内社が纏められているようです。 拝殿前を守護する狛犬は1871年(明治4)の建立。 拝殿から本殿方向の眺め。よく見ると本殿前にも小さな狛犬がいるようです。 拝殿左に、秋葉社、津島社、加茂社、天神社、猿田彦社が纏められている。 社殿全景、本殿全体は見通せません、7本の鰹木と外削ぎの千木が施された流造のように見えます。 社務所全景、レトロ感漂う佇まいはなかなかのもの。 境内はイチョウの樹が多いようで、秋には自然の恵みも得られるかも。 この池は? 神仏分離に伴い近隣から八幡社と弁財天社を合祀したとある事から、これはひょっとすると弁天池? 拝殿右に神楽殿も建てられ、小さいながら伽藍は整っています、左には石灯籠(左は1908年)が並ぶ。 拝殿右脇の長寿の大銀杏。 昭和初期までは御神木とした古樹があったそうです。 その御神木と共存するようにイチョウの樹があり、御神木が朽ち果てた後もこのイチョウは大樹へと成長、天災に遭いながらも成長を続ける生命力から、いつしか御神木の生まれ変わりとして信仰されるようになったそうです。 奥は福守稲荷社の社。 長寿の大銀杏から右手に鍋谷町通りの続く参道と鳥居が伸びています。 通りから境内を見ると福守稲荷社の赤い鳥居と幟が一際目立ちます。 福守稲荷社全景。 折しも見頃を迎えた紫陽花が境内に彩りを添えていました。 紫陽花にはしっとりと降る雨が似合うものですが、記録的な雨はこれ以上勘弁願いたいものです。 社の前で程よい肉付きの二対の狛狐が守護しています。 福守稲荷社の由緒などの詳細は調べきれませんでした。 鍋谷町通りから見た松山神社。円明寺とは壁一枚で区切られています。 近代的な作りの円明寺や周囲の景観と比較すると鳥居が無ければ神社の存在感は薄いかもしれない。 社務所北側の通りから本殿の眺め、本殿はここが一番見通せる場所かも知れません。 境内に聳える長寿の大銀杏とケヤキが住宅街にあって目立つ存在。 神社自体はこぢんまりとした目立つ存在ではないかも知れませんが、このあたりの氏神様として、家内安全、商売繁盛、学業成就、開運厄除の守護神として今も崇敬され続けています。 2020/06/19 松山神社 創建 / 不明 祭神 / 天照皇大神、品陀別命、市杵島姫命 境内社 / 加茂社、猿田彦社、天神社、秋葉社、津島社、福守稲荷社 住所 / 名古屋市東区泉3-2-29 公共交通機関アクセス / 市営地下鉄桜通線「高岳」下車、北へ徒歩10分程 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.07.07 02:17:06
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