中嶋洵智のブログ

今日もピカピカのいい天気！！

初日から天気が良いとかツイてる！

しかも週末の金曜日！


なんとなくの勘ではロシア人は残業なんて概念がない気がする。おそらく共産主義の流れを残しててまともな労働意欲は全ての人から感じられない（笑）



つまり夕方から夜にかけてフィーバーするに違いない！

しかも昨日の街の雰囲気では治安も申し分ない！きっと日が沈んでもギターを弾き続けれるはずだ！



次の比較的大きな街、チタまでの距離は２５００キロくらい。

途中の村には泊まらずロクトンハンニャに泊まる予定！

チタではハーレーのオイルも調達したい！


出来れば今日１日でババロフスクの滞在費、チタまでのガソリン代、あわよくばオイル代まで稼ぎたい。いい感じで貯金は出来てるけどまだまだ余裕ってわけでもないから気合い入れなきゃね♪

目標は７０００ルーブル！

目標は大きく大きく♪


川沿いの公園の中で弾けたらきっといく！
観覧車があったからその周辺でできたら…！








ハバロフスクの街はどこかからか飛んできた綿がたくさんふわふわ浮いていてまるで雪が降っているかような幻想的な空気を醸し出してくれている。

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冬のロシアは相当厳しいんだろうけど今は夏の始め。植物も子孫を残すためにこの短い夏に委ねているのだろう。


公園の中で演奏できたらサイコーなんだけどなー！って思いながらヒヤヒヤしながらバイクで乗り入れる。

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時間は１５時。

まだ人はまばらで突然公園に訪れた大型バイクをチラチラ目で追ってくる。


うふふ。いい反応だね♪

注意さえされなければ事がつまく運びそう♪





いつものようにアンプをセッティングして看板を立てる。ギターを抱え何千回としてきた自然な流れでチューニングしようとした瞬間！





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！！！！！！！？？


おい！？














嘘だろ…………。

頭が真っ白になる。






おいおいおいおいおい、、。



心当たりはない。きっとハバロフスクまでの悪路による振動に耐え切れなかったんだろう。





おいおい、ギター！！？お前、まじか？！



周囲の「今からどんなことが始まんのかなー♪？」っていう楽しそうな雰囲気に対して、「今からどんなことが始まんのやろ、、。」と絶望的な雰囲気の俺。





久々にテンパる。

ハバロフスクは大きいと言っても所詮は田舎街。道は幹線道路を外れればガタガタだし走ってる車も中古車ばっかりだ。

そんな雰囲気が俺は好きではあるけど今、１番欲しいものは『日本に匹敵するほどの楽器屋』！！ むしろこれさえあれば他には何もいらない！！






どうしよう！どうしよう！


英語も伝わらないこの国でどうやって楽器屋を探そう。きっと楽器屋なんてない。

あって地元のお店レベル。昨日のストリートミュージシャン達の楽器の質を見てたら期待できない…。






でも何とかしなくちゃ話になんねー！

折れたのは昨日！雨も降ってなかったから湿気がギターの傷口に移ったとも考えにくい！折れたとはいえ首の皮３枚ぐらいで繋がってるし斜めにキレイに折れている！


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不幸中の幸い、ちゃんとしたリペアマンがいれば治る確率は高い！！







誰に助けを乞うか。

そりゃギターのことならギタリストに聞くのが１番だ！


バイクにまたがりストリートミュージシャンがいた大通りに向かう！遠目から見てギターの構え方が１番様になっているギタリストに駆け寄って事情を説明する。





が、


ダメだ！英語伝わらない。ネックを見せて困ってる感は伝わってるけど楽器屋に行きたい旨が伝わらない。携帯取り出して楽器屋を翻訳する！






？







？？








？？？

















携帯、、、ない。

ない！！！







マジか！！どんだけテンパってんねん！！

落ち着かなきゃ落ち着かなきゃ落ち着かなきゃ！！


ストリートしようとしてギターを開いたあの場所！ギターの傷口写真に撮ってそのまま花壇の上に置いた…。





うらぁらぁらぁららららーー！！！

ハーレーすっ飛ばす！！








ここは日本じゃない！

俺の携帯はアイフォン７。ロシアの人が見るたんびに「くれよーくれよー！」って冗談まじりで言ってくる。


見つかれば持っていかれる！それが世界の常識！交番に届けるような国は日本だけ！

ロシアの人が持っている携帯のカメラの機能とかは１０年前の日本って感じ。

売りさばけば相当な金になる。

公園を出てからまだ、、



１０分程。





そんなに人はいなかった。

まだあるはずだ！！！！









うぉおおおぇおぃああーー！！

公園内を鬼の形相ですっ飛ばす！




花壇に到着し辺りを見渡す！見渡しまくる！見渡しまくりまくりまくりまくる！！


































ないっ！！（死）(°_°)








そのまま腰からくだけ落ちその場に寝転ぶ…。







ふぅ〜、空が青いぜ。








タバコを吸って空に向かって輪っかを作る。

俺が悪い、ロシアは全然悪くない。


誰かのせいにするのは筋違いだ。俺のミス。
ただ、これは困ったな。

どうやって楽器屋探したらいいんだろ。


携帯なくても死なないけどギターなかったら死んでまう。正直こいつ以外のギターで旅を続ける気は毛頭ない。





最悪、日本に送り返してリペアを依頼 → おそらく期間は早くて１ヶ月かかるからそれまではロシアで手に入れる適当なギターで凌ぐ → 先の街を急ぎながらどこかのそれなりのホテルにギターを送ってもらう → 何事もなかったかのような完璧なリペアリングで旅を続ける。


おし！なんとでもやり方はある！




「ヘイ、ミスター」















「ヘイ、ミスター？」

















「この携帯、君のだろ？」

！？？






















うおぉぉぉぉーー！！！

ロシアーーーー！！！！！！








ロシアを疑ってごめんよーー！！（涙） なんてスパシーバな国なんだ！！










ぐおー！！返ってきた帰ってきた！！
ちゃんと携帯返ってきた！！



疑ってごめんなさい！
疑ってごめんなさい！
疑ってごめんなさい！



スパシーバついでに抱きつく！！
なんてイケてるナイスガイだ！！












ありがちょ。アイスクリーム奢らせて下さいミスターナイスガイ☆☆☆



あぶねーー！相変わらず運だけは良い！

おし！宿のWi-Fiでハバロフスクの楽器屋を検索だ！



→ もちろん日本語検索ではそんな情報出てこない。

おし！宿の受付のおばちゃんに聞いてみよう！

「あらー、ギター壊れたのね。これで直せる？」


→ ガムテープじゃ当然直らない。








どこに俺を助けてくれる人がいるんだ？！

どこだい？どこなんだい？

受付のおばちゃんジーナは日本語で挨拶してくれるくらい日本好き。聞けば広島に娘さんが住んでるんだって！


よし！またラッキー拾った！

娘さんに電話してもらう。きっと日本語上手いはず！





「こんにちわ。母から聞いたけどギター壊れて困ってるんですって？」


やったーー！！

「困ってます困ってます！日本語上手ですね？！とっても困ってます！」


娘さんに楽器屋さんに行きたい旨を伝えて通訳してもらう！


ジーナも親身になってくれて数件の楽器屋さんを調べてくれた！

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よし！！

片っ端から行ってみよう！





ただ、住所の見方が全く分かんない。おし！こりゃタクシー使うしかねーな！

分からないことは委ねるしかない！

ジーナにタクシーを呼んでもらってタクシーの運ちゃんに事情を説明してもらう！





現れたタクシーの運ちゃんはヘビメタバリバリかけまくってるハードロッカー！！

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英語も中１レベルは使いこなす！

おっしゃ！意思疎通図れる！



運ちゃん「そのギターはエレキかい？それともアコースティックかい？」


洵智「アコースティックですロッカー！こんな感じでばっくりです！」



運ちゃんはどこかに電話しまくってくれて俺に向かって親指立てる！

運ちゃん「安心しな！俺の知ってるところに連れてってやるよ！」





ぐぉおー！今日はラッキー拾いまくり！

訳の分からん最悪の凸凹道を進んでいざその人の家の前！

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絶対分からん！！

1人じゃ絶対辿り着かん！！



中に入ると寡黙そうな淑氏が一人。

部屋を見渡す。

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おし！

最低限の道具は揃ってる！


ギターの扱い方も悪くない。不安は拭えないけど委ねるしかない！


傷口を確認して
リペアマン「よし、明日の１２時に来てくれ。値段は２０００円だ。」



「期間は２週間だ、値段は２００００円だ。」を期待したけど仕方ない。おそらくボンドでの接着だけで塗装はなしのパターン。

応急処置でもいい。木でできているギターの修復は１秒でも早い方がいい。

リペアマンに事前にスパシーバを伝えまくってどれだけ大切にしてるかを分かってもらう。













２０時。

ホテルに戻りベッドに倒れ込む。






俺、全然ダメだ。

大事にしてるつもりだったけど全然大事にできてなかった。

自分のことばっかりで全然ギターのこと考えてあげれてなかった…。



ハードケースに入れてるし大丈夫って勝手に思い込んで弦を緩めることすらしてなかった…。






ギターが手元にない夜を過ごす。

テレビをつけて何にも分からないロシア語を眺める。



明日。どんな仕上がりになるか…。

ギターの機嫌が損なっていないか、それだけを気にしながら寂しい眠りに着いた。



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〜大事にするとは〜

大事にしてても足りてなかったのならば

もっと大事にすればいいだけのこと

ごめんな

もっともっと大事にするね