イムゲー
【番外編3:イムゲー】昨日の沖縄旅行記は年内最後の投稿でしたが、書き忘れていた番外編がありましたので少し加筆をしていきます。タイトルはお店の名前ではないのですが、泡盛と同様にお酒の部類に入るのと、今後居酒屋や専門のお店で取り扱われていくであろう沖縄の新たな特産品になりそうなので、鉄道バーのカテゴリーで扱いたいと思います。写真は泡盛です。泡盛は原料としてタイ米(硬質米)を使い、黒麹を使ってもろみを発酵させて醸造します。日本酒や焼酎と同様に、水質や原料、麹の種類によって味が大きく異なってくるので、同じ醸造元の泡盛でも種類によって香りも味も違うものが楽しめたりします。さて、本題のイムゲーですが、こちらは芋酒で中心となる原料は米ではなく紅芋と黒糖を使います。紅芋を使うということで芋焼酎の一種かと思われるのですが、実は仕込みの段階で黒糖も使うので、芋焼酎とはまた違うそうです。焼酎は米と麹を使ってもろみを作ることは泡盛と共通する点なのですが、発酵を2回させることに特徴があり、麹に水と酵母を入れて1回目の発酵が終わってから芋などの主原料を投入して2回目の発酵をさせ、蒸留のプロセスに入ります。イムゲーはここからが焼酎との決定的な違いで、2回目の発酵が終わった後に追加で黒糖を入れて3次発酵をさせてから蒸留をします。故に泡盛でも焼酎でもないと言われる所以がここにあります。イムゲーは元々、琉球王朝時代の庶民の嗜好品として親しまれていたお酒で、当時大変高価であった米を使った泡盛は、王族だけが飲める貴重品だったそうです。そこで、米の代わりに庶民でも簡単に手に入れることが出来た甘藷を使って各々の家で作って飲んでいたのが始まりで、明治初期から中期にかけて広く飲まれていきました。ところが、1899年に酒税法が改正され、自家醸造が禁止になったことで歴史から一旦消えるという憂き目に遭いました。その幻のお酒が1世紀以上のブランクを経て復活を遂げたことで、沖縄ではものすごい注目を集めているのも現地に行ってから初めて分かりました。今回は泡盛をお土産に買って帰ったのですが、イムゲーも泡盛と同様に熟成が進むと味がまろやかになってより飲みやすくなるそうです。泡盛を3年以上寝かせたものは古酒(くーす)と呼び、現地で珍重されている存在なのですが、イムゲーもそれに続くスピリッツになるかもしれません。米と甘藷と黒糖のトリプル発酵。どんな味なのか年が明けたら一度は飲みたいですね(^~^)。イムゲーについては以下のサイトから詳しい歴史や復活醸造の経緯を知ることが出来ます。https://www.imuge.info/