沖縄日和、改め四十路目前のゆるい日常

那覇からバスで70分ほどで港に到着。
船が出発するまで40分ほど。港から見える久高島は平たく長細い島。
久高までは高速船で15分ほどで到着。（かなり古い船）
到着後、予約していた民宿西銘へ.玄関から声をかけると、おばぁがかなり困った様子。他の人と勘違いをしていたらしく、「部屋がないので交流館へ行ってもらえないか」と。私は、「交流館は高いのでどうしても泊めてほしい」と頼み込み、居間を貸してもらうことになった。（常連さんが何人かいたので私の予約をすっかり忘れていた様子。）
ついた早々、参ってしまった。それに付け加え、「今日は、一番日が悪い日だから、皆と一緒に祭りに行って来い」と言われ、訳も解らず、常連客について外間殿に連れて行かれた.
そこでは、祭りのリハーサルがされていて、（と言っても島の人は4人くらい）皆で歌の練習。今日は、「ヨウカビ」と言って一番日が悪いらしい。
どんなことをするかと言うと。
大きな瓶を男性2人が担ぎ、歌い手2人とその他大勢の島民（皆観光客だったが）連なって「酒三合」という歌（らしい）を歌いながら、家々を周る。家に着くと本当に酒3合をいただき空の瓶に注いでためていく。その他、各家で、お神酒が振舞われ、回し飲みをし、その家をお払いするのだ。2時から4時過ぎまで延々とこれをする。途中の「カチャーシー」を披露してくれるおばぁや小学校の子供たちもいて部落のお払いなのに何とも楽しい。夕方近くなると、ビールやおつまみを振舞ってくれる家もあった。小さな島で貴重な体験をすることができた。（瓶の中も夕方には酒で一杯だ）
夕方は、久高殿に集まり、女性たちが輪になって踊りを踊る。白装束につる草の冠。何とも幻想的な風景。私は、各家々で頂いたお神酒ですっかり酔っ払っていて、子供たちとじゃれ合う始末。終いには、煩くて村の長老の機嫌を損ねてしまった。（祟りがあったら困る）
周っていて思ったのが、島の高齢化、どの家も顔に年輪のあるいい顔のおばぁ達ばかり。途中出会った幼稚園児達があまりに元気で、好奇心旺盛なのでその仲間に入りたくなってしまった。観光客にはなれているのでどの子もとても人懐っこい。どこでも、子供たちは私たちの宝だ。子供たちの元気な姿は見ていて本当に救われる。
そういえば、昼飯抜きだったので、昼間お払いで周った食堂とくじんに行ってみる。サザエつぼ焼きが2個で350円と言うのに惹かれた。久高島は、海ぶどうとイラブーが有名で、海ブドウ丼、イラブー定食などもメニューにあった。（実は、最近はイラブーがまるで取れないそう。原因はイラブーが普段いるはずの岩場に居ず、テトラを住処にしてしまったからとのことだった。ここにも公共工事の功罪）ビールとマグロ丼とつぼ焼きを頼み、一人でテレビを見ながら晩酌。参った。台風が沖縄に接近中だ。
宿に帰ると、祭りが終わったらしく、他の客も戻ってきていた。私以外は皆顔見知りらしく、皆仲がよい。（と言っても夫婦1組、一人旅の女性客2人+私）民宿と言うよりは、親戚の家に泊めてもらっているよう。（実際泊り客の部屋は2つ。）順番でシャワーを済ますと、おばぁが、「あんたも一緒に、あらんぱ行っておいで」またまたわけもわからず皆に着いていく。
「12時までに必ず帰ってくるように。」日が変わるときは、悪い気が流れるらしく不吉なので家にいなければならない。おばぁは、カンが強い。この島の女性は皆神様の遣いだから特にそういうことには厳しいらしい。出かけるときも、塩でお清めする。
「あらんぱ」は、喫茶店？野外ライブハウス？昼間、三線を引きながら皆を先導してくれた小父さん（酋長さんと皆は呼んでいた）が、星空の下で、ライブをしてくれた。一緒に20代の女性のお弟子さん（かなりかわいい）が、歌う。
酋長さんは、西銘さん（この島はこの性が多い）といって、CDも出す歌手でもあるらしい。
ほろ酔い気分で海風をバックに心地よい三線の音色。島のゆったりとした時間を味わうことができた。ライブの間は幸運にも雨に降られず。
宿に戻ると、また塩でお清めをし、寝床についた。
なんてったって今日は1年で一番日が悪い。明日は、どんな天気になるだろうか。