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ソニー、挿すだけで機器や人を認証するコンセント - 家電Watch
ソニーが「認証型コンセント」を開発、FeliCa や電力線で認証データ通信 -- Engadget Japanese ソニーが、挿すだけで機器や人を認証する「認証型コンセント」を開発したことを発表した。 が、いくら記事を読んでも、何が狙いなのかがさっぱり分からない。 エネルギー関連への社会的関心の高まりを受け、HEMSなどのスマートグリッド構想でも、電力の使用量や機器の動作状況の見える化が、重要な課題になっている。 そこで、FeliCaの技術を使い、機器のプラグにNFC/FeliCaのICチップを、コンセントにリーダー/ライターを内蔵し、電源プラグを差すだけで機器や人を認証する「認証型コンセント」を新たに開発し、使用イメージ 電力の使用状況を個人単位、機器単位で確認できるようにするという。 また、電力線重畳通信タイプといって、Felicaの認証の通信を電力線通信で行うことで、機器本体にはFelicaチップが要るが、リーダー/ライターは、各コンセントではなく分電盤に一つ用意すればいいのでコストが下げられるという。 もっとも、原理は「認証型コンセント」とく同じであり、あえて別の方式みたいに言うほどのことではない。 しかし、そもそもの話だが、機器単位というのは分かるが、「個人をコンセントプラグで識別する」って一体どんな使い方やねん?と思ってしまう。 ソニーでは、認証型コンセントの導入メリットとして、「電力にまつわる情報が従来より潤沢に得られる」と言い、次の具体例を挙げているが、どれも意味不明だ。 ・認証型コンセントの管理システムを用いることで、家庭の電力を一括で操作できる HEMSの目的そもそもであり、認証型コンセントでない他のHEMSシステムでも出来ることを言っているに過ぎない。 ・太陽光発電システムや風力発電などによるグリーン電力だけを使って日常生活を送れる これも、HEMSの目的そもそもであり、認証型コンセントでない他のHEMSシステムでも出来ることを言っているに過ぎない。 ・自宅の電力を一括で管理できるため、不備の事故などを防ぐことができる 不備の事故とは何だ? あまりに曖昧でわざわざ例に挙げる意味さえ分からない。 ・個人単位での電力課金ができる だから、家庭内で、コンセントプラグを個人が持つってどんな生活なんだよ。具体的な生活イメージを示せってーの! ・必要がない時に電力を止めることで、幼児の事故なども防げる 具体的な、実現手段の説明がないので、どうやって実現するのか不明。幼児が挿したコンセントだと、電力を止めるとでもいうのか? ・ユーザや機器の認証を行うことで「コンセント利用課金」が実現できる ホテルやEV充電設備などのビジネス用途だと考えられなくもないが、そもそも家庭向けのHEMSからは趣旨が外れる。最後にビジネス用途に逃げるのは、よくある失敗するビジネスの典型だ ・認証前には通電しないことから、子供がコンセントに異物を突っ込んでも感電しない それは、本来の目的ではなく副次的な効果のはずで、それがメリットの最初のほうに出てくるのは如何なものか? それに、こんな大げさなことをしなくても、各家庭では、100円グッズで物理的な手段で防御している。 Felicaって、元々、決済のために作られたシステムだから、厳格な認証を行っているわけだが、そもそもHEMSで、家庭内でどの機器がどれだけ電力を消費しているかを知るためだけなら、認証なんて大げさなことまで必要とは思えず、それこそ、ネットワーク経由で情報を集めるなら、MACアドレスで固体識別すればいい程度のことだろう。 一歩譲って、ちゃんとしたIDが必要だというなら、もっと安価なミューチップでいいじゃないか。 高価なFelicaチップを、HEMSだけのために、家電品毎に組み込んでくれるメーカーはどこにもないだろう。 個人識別に至ってはさらに意味不明。家電製品がコンセントプラグと一体と考えれば、家電機器を個人ごとに持つということになるし、家電製品に、Felica内蔵コンセントアダプタを挿して使うというなら、そもそも家電製品を一意に識別できなくなる。 いずれにしても、やはりコンセントを個人単位で持つという概念自体に無理があり、それ以上の使い道に対しても、何も論評のしようがない。 今回の発表は、直接ソニーが製品化をすると言うものではなく、住居関連、インフラ関連、さらに機器関連のメーカーとの提携を視野に入れ、ソニーはその認証インフラをビジネスにしたいらしいが、今回の発表内容で、興味を持つ会社がいるのだろうか? ソニーにしては、展望の見えない杜撰な発表内容だとしか思えなかった。 意地の悪い裏読みをしてみよう。 12355,楽天、ソニ-の赤字会社「エディ」買収の意義、発行枚数、5000万枚、*堀江貴文のブログから - THINKING LIVE シンキングライブ ソニーは、Felicaビジネスの中核だったがいっこうに黒字化の見えないEdyを楽天に売却し、電子マネー事業から撤退した。 当然、ソニーの研究所にいたFelica関係の研究者は仕事を失い、転職するか、他の事業分野の仕事に移ることになるが、HEMSの事業部に移った研究者が、我田引水的に思いついたのが、今回の技術発表なのではないだろうか。 最後にもう一つだけ文句を言いたいのは、この発表を報道したマスメディアの記事だ。 一般誌はともかく、IT系メディアなら、ちゃんと本質的で技術的なツッコミをやってくれよ! そして感じた疑問点は、ちゃんと質問して記事に書くべきだろう。 何でも発表されれば、反射的に驚いて見せるような報道は、そろそろやめて欲しいものだ。 【送料無料】スマートグリッドがわかる スマートグリッド エネルギー新書 / 電機新聞ブックス (単行本・ムック) / 横山 明彦 著 【送料無料】 災害に強い電力ネットワーク スマートグリッドの基礎知識 〈早稲田大学ブックレット「震災後」に考える〉シリーズ / 横山隆一 【全集・双書】 【送料無料】スマートグリッド産業のすべて! 【送料無料】 スマートグリッド教科書 インプレス標準教科書シリーズ / 合田忠弘 【単行本】 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月16日 01時11分18秒
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