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テーマ:お勧めの本(7217)
カテゴリ:小説(伝奇・ホラー・ミステリー)
宮部みゆきさんの推理小説です。
図書館でこの作家さんのまだ読んでない本を探していて、これに目をとめました。 いろんな人の財布を主人公にした短編の連作で、全体として一つの話。なんか変っていておもしろそう……と思って、借りてきました。 そうしたら、期待以上のおもしろさでした。 自分のいるところで交わされる会話などをすべて聞いており、自分の中身を把握している財布たち。いつも持ち主の心配をしていて、ときとして持ち主より善悪観念がきちんとしている財布たち。 財布が主人公ゆえのユーモアに笑っているうちに進んでいく冷酷な連続殺人事件。最後に明かされる実行犯や影の犯人たちの動機は、意外でありながら、実際にありそうな気がしました。 彼らの性格や行動はかなり異常ですが、「これほどではないけど、少しこういう傾向はあるかも」という人はけっこういそうな気がします。うちのサークルのサイトに載っている小説にも登場するし、リアルでも、悪口を言いふらされるというような被害になら一度ならず遭ったことがあります。 犯罪にまで至らない集団いじめとか、人の評判を落とすという程度の行為なら、彼らのような人が絡んでいることがよくありそうな気がします。 こういうタイプ(具体的に書くとネタバレしそうなので伏せておきます)を極端にしたような人が、その目的達成のために、連続殺人も厭わない手段を思いついて実行したら……。 作中の捜査側の人たちと同じく「この動機でここまでやるか?」と思う一方、「こういう人ならここまでやるかも」と、妙に納得しました。 【送料無料】長い長い殺人 [ 宮部みゆき ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年07月29日 08時45分49秒
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