おっちゃん物想う

この冬の凍てつく風の中

咲くこの花の名は？

名も知らぬ花を貴女は愛でる

いや、あなたは愛でる事を知らない人

ただ愛される為に生まれてきたのか？

愛を欲して

そして愛を失う理由が

求めるが故の寂しさ

名も知らぬ花はただ

小さな葉と花を木枯らしの中にさらす

晒されるのは貴女の何？

私は貴女のその求めるものを

貴女の中にある危険な臭いを晒したい

それはこの小さな花とは似ていない

薔薇のように棘を持つ

その花はこの冬の中温室の中でしか育たない

いやきっと、貴女の咲かす花は

可憐な小さな花だろう

ただ今は薔薇の棘だけを持つ

愛される事を望む貴女は

愛する人をその棘で血の色に染める

涙を流すのは貴女

いや、貴女は涙を流さないだろう

ただうつろい行くだけ

そのうつろいをこの紙に留めたくて

私は貴女をとる

うつす貴女はきっと美しいだろう

何に何をうつすのか

この名もない花

知りもしない人を貴女は愛している

私はそんな貴女を愛している

そんな？

ただ一人の貴女を愛してる

ただ、目に止まった花は

凍てつく木枯らしの中

貴女を飾るためにだけ

その為だけに摘まれる

摘まれるのは私の心？

貴女の体を晒しても

私の心はそれを

ただ美しいと思うだけ

ただ美しい

名も無いこの小さな花は

それなりに美しい

私のこの心も

あなたがその纏った衣装を脱ぎ捨て

私の前で裸に成る時

全てをさらけ出す時

きっと貴女はこの小さな花のような

可憐さを身に着けるだろう

その棘を落として

私をゆっくりと受け入れてごらん

きっとあなたのその凍てつく心に

可憐な純粋な花が咲くだろう

私にはその可憐な花が必要だ

愛が

きっと貴女にも