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カテゴリ:書評
思いの外考えさせられた本。
空気のトリセツ 世の中の多くは私たちが普段認識している以上に 『空気』に左右されている。 『空気』というと、まず思い浮かぶのが 『ky』という言葉だが、私はこの言葉が大嫌いだ。 多分、私自身『ky』的な要素を持っているのだが、 仮にそれが読めていたとしても、『空気』が持つ無言で暴力的な強制力自体が 気に食わなくて、敢えて『読めない』ふりをしてみたくなる。 しかし、本書を読むと、空気はそんな私の天邪鬼な抵抗くらいで どうにかなるものばかりではないらしいというのがわかってくる。 一番極端なのが、第2次世界大戦におけるナチスや日本の軍部独裁政治。 勘違いしがちだが、ヒトラーは暴力的にナチズム体制を作り出したのではない。 ナチスはきちんと選挙という民主的手続きを経て 政権を確立した。 でも、その『民主的な』手続きが必ずしも正しい結果をもたらすとは限らない。 そこに絡むのが『空気』というヤツだ。 本書は他にも、流行や人間関係、商売についても 様々な形で『空気』の作用について解説している。 興味深かったのは、何故だかどんな店が進出しても すぐに潰れてテナントが安定しない場所なんかも、 『空気』が関係しているという話。 科学的にはよくわからないけれど、 『空気』というのは馬鹿にしてはいけないということを強く認識させられた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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