右手にいちじく

怪作だ・・・！と思いました。
下手なホラーより怖いコメディ。コメディらしく笑いの間は絶妙で、舞台はほぼ会議室。
とってもおもしろかったです・・・！

原発といえば、チェルノブイリの大惨事のあと放射能は日本にまでやってきたという話があります。
「おまえは放射能をたっぷりあびた草を食った牛の牛乳（有機製法）をよくのんでいたんだよ。ちなみに家族で牛乳すきだったのはおまえだけ。」
と、冗談にしてはタチの悪すぎる、真実だとしても優しい嘘で流して下さいと訴えたくなるようなことを言われ続けて大きくなったので、原発ネタには昔から興味津々の子供でした（嫌な子供）。
今自分が牛乳嫌いなのはきっとこのせい。

突然、東京都知事が「東京に原発を誘致する！」と言い出し、会議は大混乱。「安全」と言われている原発ならば、電気をもっとも消費している東京に置くべきだという知事。
会議のなかで原発の本質がどんどん明らかになっていくとともに、都知事の本当のねらいも明らかになっていく。
いっぽう秘密裏に輸送されていたプルトニウムを積んだトラックが爆弾マニアにジャックされてしまい・・・

こんな話です。
映画としては盛り上がりの部分となりそうなトラックジャックの話は全体の３分の１です★
あとはほぼ会議室。でもおもしろいし本気でみてしまう。

笑えるけれど本気で怖い原発ネタブラックジョークの連発です。
いかに危険と隣り合わせの生活をしているのか、どれだけ人々に危機感がないのか、危険が隠されているのかがわかります。ほんと怖い。
そういえば原子力発電所のＣＭって美しい自然の映像とともにやたら「安全」をアピールしてます。

や、もう電気ないと困るんですけどね！

そんでもってラストがもう・・・
ウマイ！コワイ！

原発問題としてもコメディとしてもすごくおもしろい作品でした！