カテゴリ:外国の読みもの
セリーヌ『夜の果てへの旅』を読みました。
中公文庫の上下巻、生田耕作訳。 題名からしてかっこいいなあ。 表紙の版画も 裏表紙のあらすじもコワそうですが 語りが1人称の「僕」だし、 若者の冒険を見守るように読みました。 ときおり挟み込まれる自然の描写が美しい。 主人公のバルダミュ、わりといいヤツだ。 彼がいろいろなところで働いて 経験を積みます。 おもしろかったのが、勤め先の病院で 院長から、娘に英語を教えるように頼まれたけれど お嬢さん、やる気なし…(^ ^;) 「いいかい、お父さんは、英語がよくできないばっかりに、 外人の患者をつかめなくて、とっても損をしてきたんだよ…… (中略) 《the》が言えるようになったら、 ほらご褒美にあれを買ってあげよう、 約束するよ、ぴかぴか光った、きれいな自転車をね……」 結局、レッスンに同席していたおとうさんのほうが 英語の勉強にハマッてしまい 一緒に読み進めていた本『英国史』の内容に影響されて 病院を捨てて放浪の旅に出ちゃった! バルダミュの教え方がよかったんだねえ… 本の内容を臨場感タップリに わかりやすく解説したような気がするよ。 作中にクリシイの地名が出てきたので発掘↑ クリシイ広場のえび料理です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年12月09日 19時06分32秒
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