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2011.11.14
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カテゴリ:観劇日記
いやー、焦りました。

PCのスケジューラーにも手帳にもちゃんと「ル・テアトル銀座」と入ってるし、チケットにだって大書きしてある。なのに、なぜか、私は、今朝起きた時から「今日は日生だよねー」なんて思いこんでいたんですゎ。何の根拠もなく。

で、日比谷で降りたのがいつものように開演10分前。閉まってる日生劇場の前に立ったのが7分前。その場でタクシーに乗って、正しい劇場前に降りたのが2分前。うん、タクシーさんが優秀で助かった(爆)

歩いても大した距離じゃないし、もちろん道は良く判ってるけど、走ったら絶対に開演には間に合わない。開演直後は入れないし、万が一、幸四郎がマントを脱いで32年の時をさかのぼる瞬間を見逃したら目も当てられない。こうなったらタクシー代かけるのが正しい判断ってもん。

なんだけどね。あー、なんだかもう、やれやれ。

通路席の席で開演にはちゃんと間にあったから、結果オーライなんだけど。

アマデウス、今回は7年ぶりの再演なんだそうで、モーツァルト役が変わるんですね。初演が江守徹で、続けて5回くらい再演したあとしばらく置いて、染五郎に代わってまた何度か再演して、で、今回は初めて武田真治。相方は変わっても、主役のサリエーリはずっと幸四郎。

初演は私が大学に入った年で、それが話題になってたのも、だからか続けて再演されてたのも記憶にあるのですが、あの頃はさすがにこういうものまで手が出なくて…時間もお金もなくて、江守版モーツァルトは見ていません。私が初めてこのお芝居を見たのは、染五郎版になってから。だから、役者が変わるのは今回が初めての経験だなぁ…

ま、ラ・マンチャと同じく、サリエーリはずっと幸四郎なんだし、周りがどう変わってもサリエーリで持ってる芝居に違いはないんだけども。

そう、私は、この「アマデウス」で幸四郎のサリエーリを見たのが、歌舞伎以外の幸四郎の大ファンになるきっかけでした。ラ・マンチャより先に観たんだっけ。

大河の主役作品は2つともよく見ていたし、その他忠臣蔵系の時代劇でもお馴染で、気に入ってはいたけど、でもその時点では、たとえば、どちらかと言えば鬼平だったりもしたかな。だけどこれは、違う。凄いインパクトだったし、今のところ、記憶に残る舞台のベスト10には入るんじゃないかな。

だから、今回の再演も楽しみにしてました…し、ずーっと安い席と高い席の間で揺れておりました(笑)初めて見た時はかぶりつきだったんだっけなぁ…

結局、安い席にしたんですが、その分、もう1回見てもいいんじゃないかって心のささやきが。S席の半額チケットならA席と変わんないしなぁって。あはは。

ええ、今回も、よかったです、とっても。

やっぱり凄いなぁ、幸四郎って。

歌舞伎やんなくてもいい、とは言わないけども、もっとこっちをやってくれていい、と、私は思っちゃいます。歌舞伎にだって、幸四郎で見て良かったモノもあるんだけども、それ以上に、歌舞伎以外が断然いいんだもんなぁ。

かぶりつきで見た時は、目の前でマントを取っただけで一瞬にして32歳若返って見せたその技術に圧倒されたんですが、今日あたりは、安い席から遠目で見ていたせいで、かえってサリエーリの悲しみや嘆きに引き込まれちゃって泣きそうでした。

人間、生きていくために必要なモチベーションって…って、サリエーリを眺めながら一緒に苦悩しちゃうような、そんな感じ。

サリエーリだって、運がいいだけの凡才だったらよかったのにね。でも違った。サリエーリもある種の天才だった。でも、与えられたその才能は、サリエーリ本人が欲していたモノとは少し違っていた…

成功した宮廷音楽家で、最高の地位まで上り詰め、若いうちに作品が認められヒットして富も名声も手に入ったけど、サリエーリが神から授かった才能は「耳」だった…創造する力は与えられなかったけれど、最高のモノを聴き分ける「耳」を持っていた。だから、現在評判になっている自分の作品がいずれも後世に残るような逸品ではなく、かつ、現在はまだ十分に評価されていないモーツァルトの作品は遠泳の力を持つ「神の声」に匹敵するものだと判っちゃう。

サリエーリただ一人がそれを知るだけの「耳」を持っている…

何がしたいかではなく、何ができるかを考えて生きていけば、人生はもっと楽かもしれない。

でも、生き甲斐って、やっぱり何がしたいかって方になるでしょう。

モーツァルトの才能に嫉妬し憎めるのも、サリエーリに与えられた「耳」があるからこそ。他のだれもモーツァルトに嫉妬なんてしてないんだから。

神に選ばれた天才ってのは、その才能と共に原罪のようなものまで背負わされているのか…と、サリエーリを見ていてそう思っちゃう。このお芝居、あるいは幸四郎には、そういう力があるなぁって、感じます。天才は幸せな人生を送れない…

いやー、よかった良かった、幸四郎は良かった。

武田真治は…遠くから見ていたせいかもしれないけど、やけに小さく見えて…もうちょっと華のある感じじゃないとイヤかな。身長のせいじゃないよね、たぶん。あと、最初の頃のヅラが怖いです(爆)

もう1回見たいなぁ。でもなぁ。

2年に1回くらい再演してくれたらいいのになぁ。

で、幸四郎には、アマデウスとラ・マンチャを1年おきに、その他の現代劇を毎年、そしてテレビと映画にも出てもらって、歌舞伎は半年くらいでどうでしょう。ダメ?ダメかなぁ。ワタクシ的にはそれくらいのバランスが最高なんだけど。ご贔屓さんは、やっぱり歌舞伎で見たいのかなぁ。そうかなぁ。





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Last updated  2011.11.14 22:41:41
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