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2011.12.13
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カテゴリ:観劇日記
明治の名人を思いをはせるMr.タモツは、現代の文楽をめったに褒めないような印象があったのだけど、先日は「今月の袖萩はぜひ見てください」との大絶賛。暮れの忙しい時期だし、5時開演は大変かもしれないけれど、7時半くらいまでに行かれれば(袖萩には)間に合うので、とまでおっしゃる…

私は、もちろんとうからチケットは取ってあったけれど、それが最後の最後、千穐楽の今日でした。しかも、鑑賞教室と続けて見ちゃう強行軍。体力的にはキツイけど、ぜひと言うくらいなら期待する。問題の袖萩まで、なんとか気力を持たせなくちゃね。

2時開演の鑑賞教室は、Aプロ。そう、チケット取る際に、どうせ見るなら勘十郎が出る方って思ってたんだもんな。

曽根崎心中は…どうなんでしょう、中高生もいっぱいいたんだけど、鑑賞教室としてはウケる演目なんでしょうか、どうなんだろう。恋人は遊女だし、親友のハズの相手に騙されてお金を持ち逃げされるし、挙句の果てが心中だ…

もっとも、歌舞伎鑑賞教室でも、高校生だとある程度アブナイ内容の方が興味を持って見てもらえるのも確かだとは思うのよね。野崎村なんか見せられるくらいなら、桜姫の方がずっとウケるとは思う。

でもなぁ…

殺し合いより心中のがいいってこともないよなぁ…

ま、それなりにお行儀よく見ていたような印象がありますが、それはたぶん、そういう「いいがっこ」だったからなんだろうな、きっと。

私自身も、先月の藤十郎の舞台より楽しめたかもしれないと思うくらい。文楽の方が進行が早くてイライラしない気がするんですけど、そうでもないのかな。最後の曽根崎の森は長いけど、その前の天満屋なんかはさっさと終わるし。

いや、鑑賞教室バージョン?

いやいや。九平次、帰っちゃうのね、だから悪事がばれるシーンもない。悪事がばれるのも、平野屋の主人がお金を持って徳兵衛を訪ねてくるのも、このタイミングっていうのはでき過ぎで不自然な気もするもんね。原作に近い形がこれだと言われれば、納得するかも。

でも…藤十郎の時にいつも、竹本が最後に「恋の手本となりにけり」って語るのが印象に残っているのだけど、今日は違う…曽根崎の露と消えにけり…ふーん、そうなのか。中高生に、恋の手本にされちゃいかんって理屈でもないよなぁ(爆)

そして、30分置いて、すぐ文楽公演の始まり。こちらは奥州安達原。半通し、なのかな、外ヶ浜の段と善知鳥文治住家の段、そしてお馴染の環の宮明御殿の段。歌舞伎だと、環の宮明御殿だって全部やらないことも多いもんね。それをフルに見られるだけでもいいんだけど、その前がつくのはちょっと嬉しい。

だって…いつも御殿で出てくる宗任の鶴殺しってのがよく判らないもんだから。あらすじを読んでもねー、なんだかピンとこない。どもまたの雅楽之助や魚屋宗五郎のおなぎさんみたいな感じ。見て、ようやく、なるほどって思えるんじゃないかと。

で、ホントに、観てようやく。

そうか、鶴殺し、そうだったのか、って感じ(爆)

この、外ヶ浜のところと善知鳥文治のところが意外に面白くて、集中して見られましたゎ。文治、カッコいい!

ただ…文治の妻のお谷さん、なんだかムカつく存在。悪い人じゃなく、どっから見ても善人サイドの人間なんだけど、その言動のすべてが勘に障る。たまにそういうキャラクターって芝居の中に出てくるんだけど、今回初めて見たお谷さん、とっても嫌いなタイプだったなぁ…

そして、いよいよ、お勧めの袖萩祭文。ふむ。千歳太夫大熱演。そしてMr.タモツ絶賛の富助さんの三味線。

期待し過ぎ?

いや、袖萩は前にも文楽で見てるんだけども、その時だって文楽の方が泣き過ぎなくていいなって思ったんだっけって、それを思い出しました。祭文もしっかり聞かせてくれるし、癪で倒れた時にお君ちゃんが親孝行するところだって、歌舞伎の方が見せ場っぽく冗長だもんね。文楽の方が、全体の流れがスムーズ。

そりゃ、役者が上手かったら見せ場が延々と続く方が泣けたり笑えたりするんだろうけど、そうじゃなかったらツライもんなぁ、ああいう作りは。

袖萩が終わってから、貞任の見現しのところも、お君ちゃんがすがりついて云々なんてのはないし、後日の再会を誓うところが荒事ですか!って感じで気持ち良い終わり方かも。

袖萩の前も後も楽しめたから、袖萩だけ突出してよかった!って印象は残らなかったんだけども、鑑賞教室から続けて見てもさほど疲れを感じずに帰って来られたんだから…うん、きっと、いつもよりずっと楽しめてたんだ、私は。

それにしても、演目はずっと前から決まっていたハズだけど、ここへきて奥州ってのがねー、なんだか「東北を忘れないぞ」って気持ちになりそう。外ヶ浜と善知鳥文治はホントに東北が舞台だし、環の宮明御殿は京都だけど、雪が降り続くどんよりした景色はなんだか東北っぽい。いや、阿部の一族だから、東北を連想するのかな。

いずれにしても、年の暮れに改めて東北を思う、いい機会にもなりました。





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Last updated  2011.12.13 23:15:59
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Re:東北を想う物語(12/13)   むかし桜 さん
私は鑑賞教室と本公演を先週2日がかりで観ました。短い鑑賞教室だけに出かけるのは時間が勿体無い気もして一緒に観れば効率的かと思ったのですが..
鑑賞教室は両方見比べるのも楽しいのですが、今回は私もAプロだけにしてしまいました。曽根崎を2回も観なくていいかと..(笑) 好きじゃないので期待していなかったのに、人形がよくて途中から惹きこまれたのが意外ながら嬉しかったです。語りは今ひとつの印象でしたが..
逆に奥州安達原は大夫・三味線の語りがよくて、人形が悪かったと言うことではありませんが(爆)、前日とは雲泥の印象でした。
それにしても、大夫もながら特に三味線弾きに人がいなくなってしまって、私が観始めた後から出てきた人が中堅・それ以降の人も一本立ちの感じになっていますね~ 多くの機会を得て技を磨いてくれればいいのですが、競争があまりないから.. ちょっと心配です。
(2011.12.15 13:34:18)

むかし桜さん   猫並♪ さん
そうですねー、どちらもそんなに長くないので続けてみるのにちょうどいいと思って、最初からそのつもりでした。
でも、実は、鑑賞教室は早いほうの時間にしたら、ゆっくり食事できるとも思ってたんですけど、日程がここしかなくて、この配役だとやっぱり勘十郎の方を見たくて。
そのせいなのか、それとも構成の違いのせいか、私も曽根崎は期待以上に楽しめました。藤十郎ですら、サヨナラ公演になるまで「耐えがたい」としか感じなかった曽根崎。好みじゃないし見る目もないですが、今回はとんとん進むし、その割に登場人物の気持ちが判りやすくて、気分が物語に沿う感じがしました。
三味線といえば、そうですねー、寛太郎くんも一本ですもんね。気が付いたら後輩が何人もプログラムに載ってたりして。
保護対象になっちゃって、まるでトキかイリオモテヤマネコかって状況だと、いるだけで嬉しい・質はさておき、になっちゃう可能性もあるでしょうか。うーん、絶えるよりいいのかなぁ、どうでしょう、寄席芸なんかでも絶えそうなのってありますもんね…
(2011.12.15 19:07:03)


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