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2011.12.19
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カテゴリ:観劇日記
今日は、日生劇場に居続け。

とはいえ、昼夜に演目が2つずつだし、昼は11時に開演して2時半に終わり、夜は4時開演で7時終わりだもん、通しで見ても楽勝。通しでも、南座の昼の部より短いんじゃない?

今月のここは、七世松本幸四郎襲名100周年というお題で、曾孫3人で構成されているのですが…染五郎と松緑と海老蔵ですからねぇ、演目を見てもなんというか、えらく無骨な印象で。

そういえば今期最後の講義の時、Mr.タモツが「襲名100年なんてよく思いついたよね。企画に、毎日年譜を眺めてるようなヒトがいるのかね」なんて言ってたっけ。ホントによく思いついた感じ。こういうネタを探せば、毎年何かしら企画できそうな気がしますもん。

それに、花形3人のせいか、玉三郎の時に比べて安い席が多いのが嬉しい…ので、私はやっぱり!の3等席。2階席の通路より後ろが全部3等だからね、十分ですゎ、ええ。昼夜とも、その通路のすぐ後ろの列の真ん中で、視界は良好だし足元も楽ちん、言うことナシ。

演目が無骨…といっても、私は昼の幕開けの「碁盤忠信」ってのは初めて。チラシを見れば、七世幸四郎の襲名以来100年ぶりってんだから、当然か!碁盤といえば小栗か松永大膳よねぇ(爆)

昼夜で4演目プラス口上で、3人がそれぞれ2人ずつ組んで出るのが3本あり、ラストの「勧進帳」だけ3人共演という、なんとも公平で判りやすくピタッとハマった構成なのが素晴らしいかも。しかも、3人とも1度は六方を踏む。

夜の切りの「勧進帳」まで含めて4演目のうち、私は、昼の幕開けの「碁盤忠信」を一番気に入りました。初めて見たけど、これが一番好きだなぁ。とっても祝祭気分になれる、時期的にも気分的にもいい感じがしたもん。

染五郎は、「勧進帳」こそ義経だけど、この忠信といい「錣引」の景清といい、いつになく荒事なんですね。ま、色白で線が細いような印象があっても、染五郎って顎割れてるもんね(爆)顔が小さくて目立たないかもしれないけれど、お父さんより叔父さんよりしっかりした輪郭をしている。ヒゲも濃いし。それに、いつかはやっぱり弁慶やりたいのよね…オヤジが頑張ってて譲ってくれないけど。

その、実はぶばった?顎割れ染五郎の忠信は、忠信だけが気に入ったんじゃなくて、お話しそのものが面白かったし、装置がいろいろと面白く、ラストが明るい!のでスッキリ。最初に幕が開いた時には、鳥居前と同じくらいピンチ感漂う義経ちゃんが暗い空気を振りまいていたけど、だからこそ忠信が登場すると「じゃじゃーん、主役、出ました!」って感じになった気がします。なんだろ、静ちゃんも暗くてね、どよんとしてて。春猿ってもっと華があるような気がしていたのに、違う人かと思うくらい。だから、染五郎が出てパーっと明るくなった感じが強かったかな。

そして、終わり近くにようやく出てきた海老蔵がまた「おらおらおらおらっ」って光り方をするからねー、対面で五郎が二人!みたいな(大笑)しかも時は節分で豆まき代わりに碁石蒔きして鬼退治?あらら、次の演目につながってる。旧暦の節分は大みそかのあたりだもん、年の暮れ気分。

立ち回りで、3人3家それぞれの家紋を形作って見せたのも歌舞伎っぽくて楽しめました。

というわけで、最初にいきなり盛り上がって、あとはそのノリでずっと最後まで。

次の「茨木」は、私にとっては前シテが地味で暗くて、ここが見どころだと知識で判っていてもちょっとね。やっぱり後ジテで鬼になってがーがーいう方が見ていて気楽。しかもここでも主役・松緑、相棒・海老蔵で、その海老様の渡辺綱が、リアルに強そうなのがいい(笑)

そうそう、全国の渡辺さんは皆、この渡辺綱の子孫だから、鬼の方が恐れて近寄ってこない。ゆえに豆まきの時に「鬼は外」なんていう必要はなく「福は内」だけでいい。渡辺家では「福は内」だけ…なんていう話を、これまでの人生で何度か…2度か3度…渡辺さんから聞いています。渡辺でも渡邉でも渡邊でも、たぶん渡部でも?そうなのかな。確かに、渡辺さんという名字は佐藤さんや鈴木さんに匹敵するほどポピュラーだから、生き延びて増える力も強いんでしょうね!

昼はこれで終わって、夜は染五郎・松緑の「錣引」から。短いお芝居なのに、お家の重宝があり、実はがあり、だんまりもあって、なんだか盛りだくさん。へー、黙阿弥なんだ、これ。

ここでは笑也が意外に活躍していて…へー、考えてみると不思議な配役かも。今月のここ、女方が4人で役を分け合っているけど、笑三郎と高麗蔵の役はそれなりに見せ場のある、どちらかと言えば良い役よね。で、残りが春猿の静ちゃんと、この笑也の伏屋ちゃんだけども、これまでの印象だと、伏屋ちゃんが春猿に来てもおかしくない感じ。いや、どっちかっていうと、春猿に伏屋ちゃんが来ると(演目を知ってたら)予想しただろうなぁ。キレイだけどいるだけの静ちゃんより、立ち回りもだんまりもする伏屋ちゃんのが少しいい役のような気がするから。でも、こっちが笑也。ってことは、微妙なバランスの変化が起きたとか、そういうことかな。いや、単に私の思い込みか。うん。

この後に3人の口上があって、そして長い休憩をはさんで最後。

口上の幕が開いてビックリ…なんだ、素顔?地頭?

ま、次の支度のためにはそういうことになるんでしょうけど、浅草のお年玉挨拶みたいな軽い印象。話す内容も、外見に相応しい?軽い感じだったかも。染五郎と松緑はそれなりにいろいろしゃべってたけど、海老蔵はさらっと。神妙そうな感じもするけど、それはこっちの思い込みですかね。もう復帰してずいぶん経つし、東京にいなかっただけだもんな。実際、昼の2つはバリバリ荒事でがおーがおー暴れてたし。

ただ…最後の「勧進帳」が…

うーん、松緑の富樫は初めてじゃないし、もちろん海老蔵の弁慶だって何度も見てるんだけども、始まって富樫が出てきて「かようにそうろうものは…」を聞いたらいきなり違和感。んー、こういうセリフ回しだったっけか。

ちょっと、好きじゃなくて。松緑の甲高い声は嫌いじゃないんだけど、このセリフ回しはイヤ。そう思っちゃうと、後にずっと尾を引く…極めつけが一行を通す決心をした後の泣きのところ。上半身全部で反って泣き過ぎのようでもあり、間が短くてそっけないようにも感じたり。

さらに海老蔵のセリフ回しが判らない…なぜだろう…海老様の弁慶でセリフが聞き取れないなんてこと初めてでした。幸四郎よりうにゃうにゃ聞こえちゃって。席のせい?私の耳が壊れた?実は気力が持っていなかった?なんだかなぁ…確かに、日生劇場で「勧進帳」を見るのは初めてだと思うけど、それでもなぁ…

昼の最初が一番気に入って、夜の最後に一番ガッカリしちゃって、自分でも意外な展開で終わった感じ。

それでもま、悪くはなかったかな。安い席でも見やすくて、椅子は快適で、昼夜の間に時間的余裕があったからお弁当じゃなくてシャンテで食事もできたしね、いろいろと快適に過ごせたもん。少なくとも環境的には中村座の何倍も◎(爆)





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Last updated  2011.12.20 00:02:43
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