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2011.12.20
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カテゴリ:観劇日記
先週の昼に続いて、今週は夜の部を桜席から。こちらはすでに松席で一度見ているから、再見なんだけども…

そのせいかな。

それとも、演目のせいなのかな。

昼に比べてずっと楽しめました。同じ桜席でも。見えない部分だってあるにはあるけど…たとえば、関の扉ではぶった切られる琴が見えないもんね…それでも、それを先に見て知っているからなのか、あんまりストレスに感じませんでした。

いや、昼の演目だって、今まで何度も見て知っているモノだし…中村座で見るのが初めてってだけで、桜席は桜席じゃないかとも思うのだけど、はてさて。昼がどうかは、千穐楽に正面から見れば判るかな。うん。

さて、その、楽しめた夜の部@桜席。昼の時は3番くらいだったかな、源蔵が引っ込む時の表情を見たいと思って1列目の中ほどを選んだのだけど、夜は5番。一番客席に近い6番を取りたかったのだけど、果たせず、その隣の5番になりまして、でもね、結果オーライ。だって、この5番がちょうど振り落とす浅葱幕の位置なんですもん。そのため、浅葱の内側で待機する関兵衛の様子がよく見えました。もちろん桜の木もギリギリ見えたしね。6番だと浅葱が邪魔で関兵衛は見づらかったんじゃないかな。

最初の葛の葉は、桜席から見ても、さほど印象は変わらず。この間と同じく、松也君の保名は意外なほど素敵だし、子役はサイコー。それと…今日のお習字は前より上手!と、それくらいかな。だからって飽きるほどでもなく。

あ、一つだけ、発見もあったか。お習字の直前、墨をすった葛の葉が硯箱を持って立ち上がると屋台がぐるっと回り出すところ、結構なスピードでぎゅいんと動くんですね。もちろん扇雀は心の準備ができていて身構えてるんだろうけど、それでもあの加速度で微動だにしないのは凄いかも。

そして次の関の扉では、まずは最初に待機する勘太郎を眺める…いや、勘太郎が入る前からヅラ屋のオジサンが待機していて、座ってからハチマキをするのを興味深く見ちゃいました。へー、そうなんだ。途中でハズすよね、そのハチマキ。それから、切り株に座った勘太郎は、手のひらに文字を書いては飲むという動作を繰り返す…へー

なんだか、ありがちだけど、実際にはあんまりやらないような、でも勘太郎ならやりそうな。

私の勝手なイメージだけど、勘三郎とか海老蔵とかなら、トイレの個室ならともかく、たとえ付き人でも弟子でも親でも自分以外のヒトの目のあるところではやらないような気がしちゃう。でも勘太郎なら、ヒトの目は意識しないような感じがするし、獅童ならヒトの目を意識してやりそうな気もする…って、もちろん100%勝手な妄想なんだけどね。

だから、その勝手な印象のままに何度も何度も手のひらの文字を飲み込む勘太郎を眺めていて不思議な気分になる。もしかして、実はヒト目を意識しているシタタカなタイプだったりするかしら?とか、そんな想像もしたり。

そんな感じで幕が開いて、浅葱が落ちて、扇雀が出て、花道から七之助が出て、踊って踊って、ああ、昨日の無骨なのより華やかで、やっぱりこういう方が満足度が高いなぁと思って、そして、やっと菊之助の墨染が出てくる…と、間もなく事件発生。

墨染が出てから終わるまでの間の、四分の一くらい進んだ時だったでしょうか、墨染の左衿についてた引き抜きの玉が取れたよう。最初は玉が取れただけだったから、衿がちょっとだけほつれたように見えたけど、でもぶっかえりの引き抜きだもん、蝋を引いた糸はどんどん抜けていく。見る見る左肩の玉のところまで開いちゃう。そうすると、左上前身頃がずるずる落ちてくる…

踊りにくそうだし、何よりブチャイク(爆)うーん、どうする?まだまだ先は長いよね…と、思っているうちにも曲は進んでいく。「起請じゃわいなぁ」で右を前に半身になったところで誰か助けに来るかと思ったけれど、解決策が見つからないのか、そのまんま。それどころか、どんどん崩れていく。菊之助は、なんとか見苦しくないようにすべく胸元に入れようとしたりもしてるけど、なかなかなぁ。

そうこうして、半分過ぎた頃だったか、ようやく黒衣が助けに出てきて、前後の身頃を寄せて止めたみたいだったんだけども…ギョ、それってもしかして、養生テープですか?しかも黒…

確か…、止めるだけなら縫うのが一番早いし簡単だし衣装さんはいつも用意している。でも最後にぶっかえらないといけないから縫うのはNG。ビニテやガムテじゃ止まらないよね、たぶん。でもなぁ、せめて白いテープはなかったのか。と、そう思っているうちに、それもいつまでも持たずにはがれおちる。しかも、黒いテープの残骸は前身頃にくっついて落ちていく。最悪の位置に。おお、目障り(爆)

黒衣、諦めずに今度は倍の長さのテープを持って登場。もう仕方がない?って感じでどーんと黒いテープでとめちゃう。なんだか壊れて応急処置したお人形みたい。でも、ま、あと少しだよ、うん、ほら、もう関兵衛は袖の糸を抜いて黒主を名乗り始めてる…

あー、なんだかもう、ぶっかえるまでずーっとハラハラドキドキしながら菊之助の墨染を眺めちゃって、踊りを見ていたような、全然観ていなかったような。無事に二段に決まってホッとした感じ。

そして、すぐ次の大高源吾だもんなぁ。

その大高源吾、桜席から見下ろしてたら、なんだか妙に菊五郎っぽくて。そりゃ親子だし師弟だし、顔も似ていれば化粧も同じだろうけどね、それ以上に表情の作り方がそっくり。来年2月の直次郎を妄想しちゃう。

それでも、菊之助が引っ込んで転換になると、なんだかちょっと安心というか、さっきのトラブルから落ち着くインターバルって感じがしたんだけれども、座敷ができたら早々に勘三郎が入ってきたのでびっくり。あら、お殿様って最後に登場するのかと思ってましたよ。最初に入ってきて、位置について、もうすでにちょっと不機嫌な役に入っちゃってる感じ。それでいて、いやに目立つ。圧倒的な華があるなぁ…

ちょうど勘三郎を上から見下ろす感じの位置だから、殿様が何をどうしているのか手元までよく見えて、なんだかとっても満足。案の定、七之助の煎茶点前は全く見えないけれど、それはそれ、最初の時にきっちり見ておいたからいいもんね。

座敷の後、玄関前のところでは、最初に入ってきたのは殿様じゃなくて馬でした…さすがに着替える時間が必要だから、お殿様は最後に登場して馬にまたがる…いや、それと同時くらいに長刀持ってハチマキ締めた七之助もぼーっと出てきたような。殿様からもっと嬉しがって!と言われてたような、ようなような。

さっきまで、墨染でも煤竹売りの売り声でも何ともなかった気がした菊之助の声が、ここへきてアブナイ感じになってるのでびっくり。あらら。季節柄ねぇ…常磐津のヒトなんて、位置について座るまでマスクしてたもんなぁ。大丈夫かな。治りかけかな。後1週間、頑張って欲しいな。

と、まぁ、ずーっと観るべきモノが一杯で、飽きず眠くならず。妄想は少ししたけど、3階席ほどじゃない。

それに、勘三郎は最後の幕が閉まった後に、周囲に軽く視線を送る感じが、なんだか好感。お客さんじゃなくてスタッフあてだったのかもしれないし、単なる気のせいとか勘違いの場合もあるけども、なんとなくね、座頭が幕の後にこっち見たよ!って、ちょっと嬉しくなれたから、自分に都合のよい解釈にしておこうと思います。

いやー、よかった良かった。桜席、悪くない。でも桜席だけってのは、よくないな。うん。1か月に2回見ることって、この先まだあるだろうか、ないかなぁ、どうだろう、菊五郎は中村座に出ないよなぁ、きっとなぁ。





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Last updated  2011.12.21 07:58:31
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