カテゴリ:音楽
高田渡さんが亡くなった。
BAMBOOさんが、渡さん大好きで、 昔、テープを貸してくれた。 私はそれまで渡さんのことをよく知らなくて、 とても恐ろしげな人のように思っていたのだが、 歌はどれも、静かでひょうひょうとしていて それでいてあたたかかった。 生活をする人の歌、 毎日、働いて生きている人のための歌のように思った。 BAMBOOさんは「渡さんの歌はブルースだ」と言った。 一度だけ、高円寺の小さな居酒屋に ライブを見に行ったことがあった。 薄暗い照明の中で見た渡さんは、 ものすごく彫が深く、ギリシア彫刻みたいな、 えらいハンサムな人だった。 モゴモゴモゴと話し、眠っちゃいそうになりながら、 ギターを爪弾き、とつとつと歌った。 吉祥寺の焼き鳥屋・いせやの前を通るときは、 「今日も渡さん、きてるのかな」と言って首を伸ばした。 渡さんはツアー中、釧路で倒れて入院。 16日の1時に病院で亡くなった。56歳だった。 アルコールのせいなのか、もっと老けて見えたから、 56歳だと聞いて、少し驚いた。 渡さんしか歌えない歌を歌った人。 56年を短いというのか、長いというのか。 帰り道、東京の空には半月が出ていて、 デタラメな、ハナモゲラねこのねごとを 口ずさみながら歩いた。 なんだかすごくさみしかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.04.17 02:57:07
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