ヨーロッパ最初期の階名唱を実践する講座をあちこちでやらせていただいています。この階名唱:ソルミゼーション「中世の移動ド」の受講生が集まって歌う合唱団「オグミオスOgmios」というのがあり、毎年、1回、小さなコンサートをやっております。今年は、そのコンサートももう4回目、同じく、ソルミゼーションを実際の音楽作りに取り入れている声楽アンサンブルSESTETTO VOCALE(セステット・ヴォカーレ)のメンバーもオグミオスに参加し、茗荷谷のサロンスペースでコンサートを行ないます。オグミオスメンバーのつる組による四重唱やSESTETTO VOCALEだけの演奏もあります。
私にとって、デュファイのミサは、30年前に中世音楽合唱団で歌いまくってから大好きな曲でしたが、今回、講座での勉強の成果を演奏に活かせて実に楽しいです。
また、つる組カルテットとの音楽作りは、階名唱で音と音楽を明確にしながら歌うことと、歌詞と呼吸のこと以外なるべく何も考えないで歌うという、二つの異なることを結び合わせるという一大事業に発展し、階名唱の本当の意味が見えてきそうです。
そして、SESTETTO VOCALEは「マドリガーレを専門に」という看板を出してしまったからには避けて通れない「ディミニューション」に挑戦します。シンプルな旋律を沢山の細かい音でかざっていく習慣は、器楽の専売品ではなく、当然、声楽で行なわれていました。それもソプラノパートだけでなく、ほかのすべての声部と分担しながらです。アルカデルトとローレの曲をそれぞれ、当時残されたお手本に従って歌ってみます。
ということで、小さいながらも濃いー中味の詰まったサロンコンサート、どうぞお楽しみに!皆様のご予約・ご来場をお待ちしています。
合唱団オグミオスOgmios 第4回演奏会
with SESTETTO VOCALE
オグミオスOgmios
canto 松田喜久子・宮崎和美・森有美子
alto 前田りり子・脇屋緑
tenore 大堀基巳・中村康紀・福島康晴
basso 阿部大輔・小林健
音楽監督・指揮:辻康介
SESTETTO VOCALE(セステット・ヴォカーレ)
森有美子・福島康晴・中村康紀・辻康介・阿部大輔
主な演奏予定曲目
デュファイ ミサ「もしも顏が青いなら」のキリエ Dufay Missa"Se la face ay pale"Kyrie''
ジョスカン「アヴェマリア」Josquin "Ave Maria''
カンビオ「愛は盲目」Cambio "Sapete amanti"
アルカデルト 「私の幸せな眼よ」 Arcadelt ‘’O felici occhi miei’’
アルカデルト 「ヴェールを剥ぐのを」 Arcadelt ‘’Lasciar il velo’’
アルカデルト 「この幸せな死は」 Arcadelt ‘’Sì liet’e grata morte’’
ローレ 「心地よい木陰で」 Rore ‘’Alla dolce ombra’’
ジョヴィネッリ「ドレミの歌」Giovanelli "Ut re mi fa sol la”
2016年6月12日(日)14時開演(13時30分開場)
ラ・リール La lyre (丸ノ内線「茗荷谷」徒歩8分 文京区大塚3-21-14)
全席自由 2000円 (定員60席)
ご予約・お問合せ
nemotsuji@mac.com 070-6525-0772(ダネーモー)
kikuko21@i.softbank.jp 090-3977-8202(まつだ)
*オグミオスOGMIOS とは、ケルト神話の英雄で雄弁と説得力のある話法の神で、男の口から蔦が出て、それが蔓に成長していくという姿で「ヴェルブ(言葉)」の力を表現している。
オグミオスOgmiosは「辻康介の体感音楽史:ソルミゼーション講座」の受講生による合唱団で中世以来のソルミゼーションとルネサンスの旋律論を音楽実践に活かす試みを続けている。SESTETTO VOCALEも同様にソルミゼーションを実践しマドリガーレを専門に歌っている。
企画 DaNemo
辻康介Da Nemo