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続きます。 続きますが、話の前振り。
ねずは十年前、じ、女子校の大学生でした。 女子大らしくないと、もっぱらの評判のキャラで通ってました。 選んだクラブは、能楽部でした。(このへんから話がマニアックになりますね~) 年に一度、クラブ活動の一環として、能楽堂で自演会を開きます。 大体4年目で、お能を一番開かせてもらえます。 (それまでは未熟なので短い曲を謡ったり、舞ったりしてキャリアアップしていきます) ねずの同学年(京都なので同回生)は4人でした。
そこで選んだの曲は、「一角仙人」。
多分、師匠許してくれないだろうなあ。でもとりあえず、第一候補として言ってみようやないか。多分、あかんねん・・。でも、美味しいわあ。4人とも謡えるし、舞えるしなあ・・・。
師匠「今年は何出すの?」 ねず等「い、一角仙人でお願いします」 師匠「ええよ」 ねず等「・・・・・・・・・! ってありがとうございます!」
さてものすごくあっさり決まってしまったこの曲。 簡単に解説します。
仙人と鹿との間に生まれた一角仙人。仙人としてはトップクラスの神通力の持ち主。 とある雨の日、コケテお気に入りの瓶を割ってしまった。 苔が湿っていたせいだ→雨のせいだ→雨を降らせた竜神が悪い。 なんともむちゃくっちゃな理由で、一角仙人は竜神をすべて岩の中に封じてしまったそうで、となると、世界から雨がなくなり、当然日照、大飢饉が起こってしまったわけです。 そこで王様は「色仕掛けでなんとかしたれ~」と美女を派遣。 *お能はここから始まります。 一人ひきこもり生活をエンジョイしていた一角仙人の元に王さまのご一行が声をかける。 最初はつれなくしていた一角仙人も、美女の姿に目が留まり、庵からのっそり出てきて話を聞くことに。 これがねず、いや、一角仙人。初公開? 話を聞いていると、美女がお酌をしてくれて、思わせぶりな態度をとり、一角仙人はころりと色香にやられてしまいます。
美女が舞い始めると、こうすか~?とついてマネをするほどに。 そこでこの曲にしかない、はずし拍子。 足でドン!っと舞台を踏み鳴らす型があるんですが、普通はお囃子(五人囃子の笛太鼓ですね)に合わせて踏むんですが、一角仙人は酔っ払っている上に、美女の真似をしているので、微妙に外してしまうんですよ。 これが他の曲にはないと言われてます。
そんなこんなで酔いつぶれると、仙人の神通力もなくなり、岩に閉じ込められていた龍神たちが岩をぶち破って襲ってくる(怒ってるだろうなあ・・)ので、一角仙人は逃げていき、国にはまた雨が降り出したということです。
歌舞伎にもなっているこの曲。「鳴神」といいます。話の筋は同じです。 能にせよ、歌舞伎にせよ、色香で色事で?任務を全うします。 ええ、そりゃもうリアルな描写はなくとも(歌舞伎では袂から手つっこんで揉んでますがね) そういうことをして、美女は相手の神通力を消していくんですね~。 だから
女子大生がする曲じゃない。 何度言われたことでしょう。 シテ(一角仙人)は誰や。とも言われました。
いまや、名前より一角仙人やった女子大生のほうが通用するエリアが存在します。
話を戻しまして、そのとき、お手伝いに来てくださっていた能楽師の方々。 その中の一人、能楽師の先生が松江に来ているということで、話は元に戻ります。
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Last updated
2010.01.25 21:56:59
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