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カテゴリ:アフリカ時事レポート
今日は暑い暑い。朝、テニスで軽く汗を流すつもりが、暑くて軽くじゃなくなった。家に帰ってきて330ccのビール缶を立て続けに2本飲んだら少し落ち着きました。
昨日の続きです。この8月にガンビア当局は突然、ガンビア川の渡し舟(バック)の料金を値上げしたのです。それも値上げ幅はほぼ100%、つまり2倍。折からの石油の高騰(特にガンビアのダラシという自国通貨は弱いので、基軸通貨に対し、ドンドン値を下げてしまい、輸入財の決済が大変なのです)や新規フェリーの購入のためと説明されましたが、この一方的な通知にセネガル側、特にトラック輸送組合が大反発、ガンビアからの人、車の通行を国境で実力阻止するようになりました。本来2国間の合意で、値上げの場合は事前に説明があることとされていたのです。 ガンビアは特にこれといった基幹産業もない国ですが。周りをCFAフラン圏(フランスフラン(今はユーロ)との固定レートによって、交換が保証されている国々、セネガル、ギニア・ビサオ、マリ等がそうです)に囲まれているので、自国通貨が変動性であることを生かして、隣国の消費財の相場を見ながら、うまく売り買いをして利ざやを稼いでいるのです。例えば、砂糖はセネガルでは独占企業が生産しているため、国内産製品が相対的に高い値段設定となっているので、ガンビアは安く砂糖を輸入し、セネガルでこっそり売りさばいているのです。 セネガル輸送組合の国境封鎖でそういったことができなくなりました。ガンビア側は少し情勢を甘く見ていたのでしょうが、セネガル側はガンと譲らず、先月末、セネガルのワッド大統領は、1.セネガル政府が船を購入し、ガンビア川の交通を保証する、2.恒久橋を架ける、3.地下トンネルを掘る、の3つの方策しかないと発表、ガンビア側を脅しました。それに対し、ガンビア側は20から25%の料金値下げを一方的に発表しましたが、怒っているセネガルにとっては焼け石に水でした。また、ガンビア国内でも政府の対応がまずいとデモが起こるようになりました。 このこう着状態を打開しようと一昨日(21日)、AU(アフリカ連合)のオバサンジョ大統領に連れられて、ガンビアのジャメ大統領、ギニア・ビサオのヴィエイラ大統領がセネガルを訪問、初めて首脳会談が行われました。その結果、今回の値上げを一度白紙撤回することで合意、22日にはほぼ2ヶ月ぶりに国境が開くことになりました(確認していませんが)。 ガンビア側も、一度白紙撤回するものの、石油高騰で実際に値上げをせざるを得ない台所事情があるので、「事前に」セネガル側と協議をするという言質を取っています。ちゃんとプロセスを踏んでやろうよというのが結論です。 隣国というのは、近いだけに仲良くするのは難しい。僕はこのような話を書きながら、日韓、日中の関係を心配しています。国の関係だけではなく、企業同士、あるいは個人の関係もある意味で同じ。要は「相手にレスペクトを持って対し、ちゃんと説明責任を果たしていますか?」に尽きると思っています。ねえ、小泉さん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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