エジプトで開催されているサッカーのアフリカン・ネーションズ・カップ(CAN)は予選の中盤戦を迎えています。昨日までにコートジボワール、カメルーンが順調に決勝リーグ進出を決め、開催国のエジプト、前回優勝のチュニジアも緒戦を飾りましたが、W杯出場組(フランス語でmondialistと言います)の中でトーゴ、カメルーン、ガーナは苦戦を強いられており、トーゴはすでに予選敗退が決まりました。
W杯予選でそのトーゴにまさかの敗北を喫したセネガルは緒戦でジンバブエを一蹴し、次のガーナ戦が今大会を占う試合となりそうです。24日のジンバブエ戦は18時よりテレビ中継が始まりましたが、いつもは帰宅を急ぐ人で込み合う街もしーんと静まり返りました。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は
アフリカ連合の話です。23、24日両日、スーダンのハルツームで開催された第6回のAUサミットは最大の懸案事項であった2006年の議長国にコンゴ共和国のサス・ンゲッソー大統領を選出し、幕を閉じました。議長国は基本的に1年任期なのですが、前回のサミットで選出することができず、ナイジェリアのオバサンジョ大統領が続投していたのです。
今回の選出にあたってはスーダンのアル・バシール大統領が立候補していたのですが、ダルフール問題を巡って域内のアフリカ諸国、特に隣国のチャドの強い反発があり、2006年中にダルフール和平に前進が見られることを条件に2007年にスーダンが議長国になることも内々で合意されたようです。しかし、人権団体などもダルフール問題を巡り、スーダン政府を激しく批判しており、すんなり内定が実行に移されるか見守る必要がありそうです。ダルフールの平和監視のため、AUが7000人もの軍を派遣している現状を考えるとスーダンが議長国になるなどありえない気もするのですが、そこにはアフリカ首脳の間ではさまざまな思惑、綱引きがあるのでしょう。
コンゴ(共)のサス・ンゲッソー大統領は軍人出身。79年にクーデターで政権を掌握した後、92年に初の大統領選挙で破れ、下野しましたが、97年には内戦を制し、再び返り咲き、02年には選挙でも勝利を収めます。モザンビーク(南)、ナイジェリア(西)と来て、スーダン(北)の前に中部からという流れでコンゴ(共)から選出されたのだと思いますが、オバサンジョに比べるといかんせん小粒感は否めず、正念場を迎えるコートジボワールの和平などにどのような力量を発揮できるのか、まずはお手並み拝見と言うところでしょうか。