Mr. Cats' Gardenのブログ　あるいはニャンスケの生活と意見

2023/6/11　(13：00－）新国立劇場バレエ団　白鳥の湖    、2022/2023シーズンバレエ、新国立劇場オペラパレス
    振付/演出：ピーター・ライト、共同演出：ガリーナ・サムソワ、音楽：ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー、美術/衣装：フィリップ・ブロウズ、照明：ピーター・タイガン、指揮：富田美里、芸術監督：吉田都、
    オデット/オディール：柴山紗帆、ジークフリード王子：井澤駿、王妃：楠本郁子、ロットバルト男爵：中島駿野、ベンノ：清水涉悟、王子の友人たち：多数交代、クルティザンヌ：廣川みくり/広瀬碧、    4羽の白鳥の娘たち：飯野萌子/奥田花純/原田舞子/広瀬碧、2羽の白鳥の娘たち：廣田奈々/花形悠月、白鳥の娘たち：多数交代、儀典長：交代出演、ハンガリー王女：中島春菜、ポーランド王女：池田理紗子、    イタリア王女：五月女遥、チャルダッシュ：原田舞子/木下嘉人/その他多数交代出演、マズルカ：多数交代出演、    ナポリの踊り：赤井綾乃/池田紗弥/宇賀大将/佐野和輝、スペインの踊り：渡辺与布/廣田奈々/小柴富久修/渡邊拓朗、



　日曜の昼下がりだということを考えても、いつものオペラパレスの客質と全く違う。座席をかさ上げするためのスポンジマットが客席への扉のところに積んであり、それを手にした親子連れが目立つ。子供率20 ％みたいな感じ。それだけ見ていると、「あれ、今日はバレエ教室の発表会？」てな感じ！　白鳥の湖は私ニャンスケや宿主にとって初見なんだが、4羽の白鳥の踊りであるとか２羽の白鳥の踊りであるとか、いろいろな場面で見慣れているような、そして音楽も耳についている。白鳥の湖の中の白鳥のイメージは日本の、そしてもしかしたら、世界のバレエの象徴なのだろうか。

　ニャンスケと宿主は、白鳥の湖の舞台で白鳥が舞のは第2幕と4幕で、序幕第1幕第3幕の舞台は宮殿内であることも今回のチラシにあったあらすじを見て初めて知ったというレベル。第1幕、先王の死を悲しむ王子を元気づけようと綺麗どころのを集めての励ます会。ここでいきなりソロが二曲、そしてこの二人によるデュエット。筋を追う感じで、初めて観る白鳥も湖をホンワリ感覚で鑑賞という感じで居たのが、、、、、

　最初のソロで、ガアーッと舞台の中央に目を凝らさざるを得なくなってしまった。舞台に目が吸い付けられたという感じである。目が離せない。最初のソロが終わった途端、ドカーンと大喝采。皆が同感だったのだ。最初のソロが下手に退けて次のソロが始まる。最初の余韻が残ったままで、結構よい流れでまた拍手、そして下手から先ほどのソロが戻ってきてデュエットになる。

　そこで,　二人の所作の差がはっきり見えてしまった。上手の後でソロを踊った人の舞は、聞き慣れたバレエ教室のかけ声とでもいうか、ターンターンターン3/4拍子という感じ。それが下手の踊り手の持っているリズムは、タタタタンタタタタンタタタタン12/16拍子のような感じなのだ。つま先から脚の筋肉、腕の筋肉、指先、首位置、目の輝きと視点、全てがクリアーで且つ的確に譜面を超えた域で音楽に乗っている。指揮者のたくとは見えてなかったが、指揮棒に明確に乗っていたに違いないとも感じられた。

　この前バレエを観た4ヶ月前、池田理紗子のコッペリアで、日本のバレエのフェーズが大転換していることを知らされた。そして、今回の白鳥の湖で、ニャンスケが目を奪われた踊り手が廣川みくりであることを後から確認できた。　スターが続々と登場し切磋することで分野が強くなる。　日本のバレエはいい状態なんだなと痛感させられた、収穫多き舞台鑑賞であった。　そして、この日鑑賞に来ていた多くのちびっ子バレリーナに幸あれ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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