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2007.07.28
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カテゴリ:絵本



地下鉄の入り口で

天使に 「 サヨナラ 」 と

言われた日から

私の目は

少しずつ 見えなくなった



光のない世界にも

ひとりごとを言う自分にも

慣れてしまった 15歳の誕生日

私は 秋の雨にうたれながら

再び 地下鉄へと向かう



雨と風をのがれ おりていく地下道

耳をうつのは こだまする私の足音だけ



知らない街を あてもなく 歩いてみたかった



私はどこまで 行くことができるのだろう



人いきれの中で 自分の居場所を見失う





起きているのか 眠っているのか もう私にも わからない……





地下鉄の音は 象の行進を思い出させる

どっしりとした歩き方が 私を安心させてくれる



地下鉄を出ると 温かな日射し 

舞い散る木の葉は 軽やかなメロディー

落ち葉の中には  金色に輝く “ 幸せの一葉 ” が 隠されているという



りんごは今でも 赤いのだろうか?

おいしいりんごが もげるだろうか?



人々を乗せて 地下鉄は通り過ぎる

みんなどこから来たの?

どこへ行くの?



あわただしく行き交う人々

出口で待っているのは 誰?



子どものころ 話のできる魚が ほしかった

心の底に沈めた悲しみを 語りあえたらステキ



見上げれば 今でもそこに 青い空はあるのだろうか?

白い雲なら 自由に 旅することが できるだろうか?



はるか かなたに 潮騒の音を聞く



海の向こうまで行けば 違う世界に 巡り会える?



風に身をまかせれば どこかに たどりつける?



飛ぶことを ためらってはいけない



落ちることを 恐れてはいけない



傷つくことが多いほど 人は強くなれる





世界は 出口のない 迷路



かりこまれた木々は 風に歌わない



今日と昨日は どこがちがうの?



明日 私は どこにいるの?










これ以上 一歩も踏み出せない ときがある










どうどう巡りに さまようばかり



いくども まちがった電車にのり まちがった駅でおりる



どこに いるのか わからない

どこに 行きたいのか わからない










深い霧が 行く手をおおい ぬかるみに 足をとられた










誰か私を ここから連れ出してください










男の子に 道をきかれた

できることなら 教えてあげたい



もう一度 この世界を見ることができるなら 何が一番 見たいだろう?



思い出の扉に 記憶の影が のびていく



扉の向こうには 捨ててしまった おもちゃの兵隊

今でも ちょっと 寂しげな顔をしているの?



真っ暗な世界は 誰かのいたずら?

手をのばしても 光には届かない










角を曲がると 美しい旋律が 流れていた

私のほかにも 傷つく人が?










希望をさがそう 暗闇を恐れずに

幸せは ほんの近くに 隠れているかもしれない



飛び立つ勇気があれば 苦しみから逃れることができる

明日を信じる心があれば 道を見つけることができる



つまずき ぶつかって やっと気づく

求めるだけでは 手に入らないのだと



私は帰ろう 私の世界へ

うわさ話など あとに残して










夕暮れの窓辺で 誰か私のために 詩を読んでくれませんか?










人波のひいた寂しい窓辺を 誰か 温めてくれませんか?










この世と別れてもいいと思っていた

世界の美しさに気づかぬうちは

今はただ 祈るだけ

一幕の魔術を 一瞬の奇跡を



どこかに きっと いる

なくしたガラスのくつを 探してくれる人が



美しい宮殿に 悪意が燃え上がる



出会いのかげには たくさんの別れ



永遠に走り続ける 地下鉄はない










地下鉄の出口で 声をあげて泣いた

すべてを 消し去る 雨の中で










ぬれてしまった服も いつかは乾く



昨日の悲しみは 忘れてしまった

忘れるくらいの 悲しみだった



ここは 終点?

それとも 始まり?



草が香り 小鳥がさえずると思い出す 遠い日の葬儀

何かが始まり 何かが終わる



たまには ゆっくりすわって 未来を語ろう



とどまることを 責める人は ない

けれど どこかにきっといるはず

地下鉄の出口で 私を待つ人が



その人は 私にかさをさしかけ 手を握り 一緒に歩いてくれるだろう



生きていくことは いくつもの 驚き

生きていることは いくつもの 喜び



気づかずにいたけれど そばにいてくれた すべての人に 「 ありがとう 」 を










地下鉄の通路で

蝶の羽音を聞いた










花咲く庭を 探しているの?



私も 探してみよう



真っ赤な りんごを

金色の 一葉を



心に輝き始めた かすかな光を





『 地下鉄 』 Sound of Colors  より
作:<ジミー>幾米
訳: 宝迫 典子








ジミーさんとの出逢いは この1冊でした

『 地下鉄 』 Sound of Colors






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Last updated  2007.07.28 12:19:38
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Re:『 地下鉄 』   Sound of Colors(07/28)   ル★ル さん
最初、携帯で見ていたの。だからサラの詩かと思ったよ。またまた~って(笑)

絵本でいいんだよね?
図書館で探してみよう・・・
(2007.07.29 09:08:21)

原作   涼2006 さん
読んでみようかな・・ (2007.07.29 14:49:26)

Re[1]:『 地下鉄 』   Sound of Colors(07/28)   サラ♪ さん
ル★ルさん
>最初、携帯で見ていたの。だからサラの詩かと思ったよ。またまた~って(笑)
ねーさん…
こんなもん書ける実力があったら とっくに文筆を生業としてますって…・笑

>絵本でいいんだよね?
絵本… であり 
画集… であり
詩集… みたいな感じです・笑

>図書館で探してみよう・・・
YAにある可能性が高いような気がしますが…
検索してみてくださいね~♪
(2007.07.29 17:23:38)

Re:原作(07/28)   サラ♪ さん
涼2006さん
>読んでみようかな・・
-----
興味がおありでしたら是非♪

原書を手に入れたいと思いつつ 
実はまだ探していないんですよね~・笑
(2007.07.29 17:25:56)

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