心には感情を宿せない

もしも違っていたら困るから


嬉しさを感じることも

悲しさを感じることも

寂しさを感じることも

虚しさを感じることも

そのどれもが間違っているかもしれないから


喜ぶことも

嘆くことも

涙することも

心閉ざすことも

そのすべてを まだ許すわけにはいかないから



でも それは

心の叫びを口にすることを禁じているとか

心の表情を崩さずに保つことを強いているとか

そういう意味ではない



もしも何かを感じたとしても

それが自分の思い込みでしかない以上

いかなる感情も不確かなものに過ぎないのなら

感情を有することの無意味さを認めるよりほかないから

あらゆる感情を手放すように心掛けているだけ


嬉しいような気がしても

悲しいような気がしても

寂しいような気がしても

虚しいような気がしても

気のせいなのだと思うことにして


すべては想像でしかないのだ と自分に言い聞かせ

どうせわからないのだ とやり過ごし

心の震えが治まるのを待つ


そんな感じ