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カテゴリ:漫画
[作者] 諸星大二郎
▲似顔絵(模写です!)は孫悟空 ---------- 今回は漫画について書いています。 その作品の名は『西遊妖猿伝』、西遊記を元ネタにした作品です。 内容は「西遊記」をベースに、隋末から唐初の混乱の時代を舞台とし、悟空達を人間という設定にして、玄奘とともに天竺へ向かうという、史実をも絡めた物語になっています。 実はこの作品、まず1983年に双葉社の「月刊スーパーアクション」にて連載を開始されたのですが、のちに潮出版社の「コミックトム」に変わり一旦中断。 そして11年たって今度は講談社の「モーニング」にて連載が再開されるという、壮大かつなんとも気の長い作品なのでした。 (物語の流れもゆっくりなため、沙悟浄が登場したのは、なんと講談社に移ってからなのです(笑)) 正直、諸星大二郎先生の絵は、かなり独特です。 (もしかすると女性は敬遠するかも...) 間違いなくワン&オンリーの、まさに諸星大二郎先生だけしか描けない絵だと思います。 そして作品としては、やはり抜群に面白いです。 もうストーリーの組み立ては、非常にうまい!! 特に最初の頃のパワーはムチャクチャはすごく、実にグイ、グイ、グイー!と読ましてくれます。 悟空は水簾洞で無支奇という妖怪と出会い、その強大なる力を受け継ぐ。 けれど民衆の怨念によって増幅される無支奇の力は、悟空の行く先々で多くの血を流させる。 自分の運命、宿命というものに悩みながら悟空は、紅孩児、竜児女、そして玄奘など多くの人物と出会いながら、自分の進むべき道を探していく。 それらの物語をじっくり読ませながら、所々でパワフルなシーンをドドーンと入れてくるのです。 初期の頃では水簾洞での無支奇の場面、竜児女の死の場面、そして天界ならぬ都の宮城の中での大暴れの場面など、しっかりと作られた物語の流れの中で見ごたえのある場面をうまく入れていて、実に盛り上げてくれています。 また先にも書きましたが、悟空達を人間にしていて史実の人物も登場していますので(とにかく登場人物達が個性的!)、妖怪などが出ていてもあまりおとぎ話的な感覚は無く、リアルな感じさえもします。 物語が進むにつれ、悟空は成長してきていて悩むこともなくなり、自分自身をコントロールできるようなってきています。 また都を出て以来砂漠の風景が多く、単調な感じがして、作品そのものの魅力が少々減っている気はします。 とは言え見せるところは見せてくれます! 西域篇第1巻での、悟空の途方もない力により恐竜の化石が起き上がる場面や、石槃陀(沙悟浄のことです)が流砂に消えてしまった母親のミイラを抱きしめる場面など、やはりインパクトのある場面を放り込んでいて(そこにもって行くまでの進め方などがまたイイんです)、じっくり読ませてくれる作品であります。 ***** 実は今回の似顔絵、以前より気になっていたペンタブを購入し、パソコンで描いてみました。 栄えある作品第一号は最初から悟空にしようと決めており、悪戦苦闘しながら、なんとか描きました。 本当のトコロ、悟空の顔は全然似てませんが、これはまだペンタブになれてないとかの問題ではなく、ただ単に自分のヘタさが原因のような気がします(笑) それにしてもペンタブを使用しのパソコン絵は楽しいのですが、カラーの分だけ異様に時間がかかっていました。
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