カテゴリ:魔法の木
今日はジュニアと楽しく「工事現場」を回りました。 作業員の叔母ちゃんたちも、小さいころ(幼稚園ぐらいのころ)よく、会社に連れて行ってたので「大きくなっちゃったねえ・・・」なんて懐かしがってくれましてねえ。 ジュニアも、なんとなく覚えてたんでしょう・・・「おばちゃんも大きくなったねえ」なんていったりして・・・・「おいおい、それって誉め言葉じゃないぞ!」
ザウラブダグ城の周りを、ノブは人目に立たないように姿を隠してそっと歩きました。 常にパトロールの目が光っているように感じていたからです。 4分の一周まわったところに、小さな森があったので、とりあえずは一息入れられそうです。 森の茂みに入ると、そこは城からまったく見えない場所である事に気がつきました。 「ここに隠れていれば、ザウラブダグの兵士には気付かれないだろうな」 ノブがほっとした瞬間でした。 「オイ、そこの若いの・・・」 誰かがノブに話しかけてきたのですが、ノブにとっては心臓が飛び出しそうになるくらいの驚きでした。 「そんなに驚かなくたっていいじゃねえか・・・・」 そう話しかけてきたのは一頭の熊でした・・・・それも普通の「ヒグマ」や「ツキノワグマ」ではない「色の白い熊」・・・そう「ホッキョクグマ」でした。 しかし、この蒸し暑い場所にホッキョクグマがいるなんて・・・・ ノブは不思議に思いました。 「お前さんもうちの親分と一緒か?・・・・・なんでここにオイラのような寒いところに住む熊がいるのか不思議なんだろう?・・・だけど不思議でもなんでもないんだ・・・・ここはもともとオイラ達が暮らしていた場所なんだよ」 ますますわけがわからなくなって、ノブはそのホッキョクグマに聞きました。 「だってホッキョクグマって北極に住んでいるんだろ?」 しかし、ホッキョクグマは落ち着いて答えます。 「そうさ・・・・オイラ達は北極に住んでいるホッキョクグマだよ。・・・だからここが北極なんだってば」 「北極は海だけのはずだよね・・・・陸地なんかないと思ったけど」 「おいらたちだって陸地はないと思っていたさ・・・・でもある日突然、海の底から山が隆起してきて突然爆発したんだ。・・・そして噴煙を噴き上げて太陽を消してしまった。・・・・もともと一年の半分はいつも昼間で、残りの半分はいつも闇の世界だったんだけど・・・今じゃこの通り・・・年中暗くなっちまってよ・・・」 北極海の底にあった海底火山が爆発によって隆起し、その噴煙がいまだに太陽を覆い隠しているという事でしょうか? しかし、それなら今の科学の力で解明されていてもいいはずです。 「それはなあ・・・・うちの親分も言ってたんだが、この北極を牛耳ってるのがザウラブダグって言う魔法使いでな・・・・どうも太陽の魔法使いから姿をくらまさせるためこの地域全般にバリアをはってよそにはばれないようにしているようなんだ。」 これは、「魔法の木の広場」と同じ様な魔法で、一般の人たちにはわからないようにしているということかも・・・・・ 「ところで君が言う親分って?」 もしかしたら、「緑」がそう呼ばれている・・・・なぜかそんな気がしたのです。 「あ、失礼・・・・・うちの親分・・・・ザウラブダグって言う魔法使いが敵だってことだけ覚えてるんだが、実はちょっとした事故にあってね・・・・それ以外のこと・・・例えば自分の名前も覚えてないってやつなんだ・・・でも、ザウラブダグは敵だって言う事だけはあんたと同じだと思ってね。・・・・もしかして、あんた・・・うちの親分の仲間だと思って声をかけてみたんだ」 ホッキョクグマはノブにそういいました。 「その親分に会わせてくれないか?」 「ああ、もちろんそのつもりだ・・・・実はオイラ、親分に命を救ってもらってな・・ザウラブダグの兵士が、暇つぶしにホッキョクグマの狩をしはじめてな・・・あるとき、オイラが狙われたんだよ・・・それを親分がオイラにバリアをはって助けてくれたんだが、そのバリアに跳ね返った矢が・・・親分のこめかみをかすったんだ。・・・」 そんな事故があったんだ・・・・それで連絡が取れなくなったんだな・・・・ノブは即座に理解したのでした。
つづく
「
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