旅のテーマは五社めぐり
タクシーで駆けつけた平安神宮カウントダウン10分前。しかし、祭壇の前広場にはものすごい人たちが集まっているが一向に前進しない。どうやら、新年にならないとお参りを開始しないようだ。今まで、越年参りなどテレビで見たところは前年の暮れからどんどんお参りしている姿が映っていたのだが、ここはそうではないらしい。そこに集う人々は若いカップルが圧倒的に多い。なんだかちょっと違和感。しかしついにカウントダウンの掛け声がどこからともなく湧き起って、新年になって列が動き始めた。お参りをしてご朱印ももらった。実はその時わたしと夫はもうあるゲーム(ゲームなどと罰当たりなので大きな声では言えないが)を始めていたのだ。八坂神社でご朱印を受けたとき、ふと見ると下のようなポスターが目に付いた。京都五社めぐりご朱印帳。平安神宮を中心に京の都の東西南北を守る四神の神社巡りである。東の八坂神社は青竜南の城南宮は朱雀西の松尾神社は白虎北の上賀茂神社は玄武そのすべてを巡るのである。何しろ大きな都を守っているのであるから、当然すべて都の端っこ。ルート順に回るなんて言うものじゃなく文字通り西に北に南に移動するのである。これこそ私の旅のスタイル。唯の観光じゃつまらない。何かに関係付ければなお旅行が楽しくなる。例えばイギリスのメドウェイの友人を訪ねる時、その町がディケンズで有名なら、その本を読んで下準備するのは当然だけれど、その前にロンドンでも、昔のロンドンでのディケンズ探しをする。ロンドンの昔の街の中心に彼の時代から残る建物や街並みや彼の住んだ家などを探す。旅にテーマを付けることで、その旅の道順などさえ忘れられないものになる。自分だけの手作り旅になる。テーマを与える事こそ旅のだいご味。平安神宮からホテルにいったん戻って寝て、朝食に出た京風お雑煮を食べ、朝のバスで西の松尾神社に向かった。バスを乗り継いで北の上賀茂神社。神社前は大渋滞で、運転手が此処から降りて歩いた方が早いというので、途中から降りて歩く。バスから地下鉄に乗り換え、都をまっすぐ北から南へ。そしてまたバスに乗って城南宮。ああ、楽しかった。今年の初詣。