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2024.03.24
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カテゴリ:小説
電話は沼南不動産センター兼願いを叶える沼南易者協会からだった。

どうせ、前金がないから着手できないとか、
そういう類の話なんじゃないかと思ったが、
出てみることにした。

谷原「中野くん、準備できたよー。
相手のスケジュールもあるから、今日空いてるよね。
印鑑持って、すぐ来てよ。」

俺は意外な言葉に驚いた。
本当にアーシャに会えるのだろうか。
それに今日の今日とは。

中「えっ、今からですか。」

谷原「そりゃそうでしょ。一応はあの娘、アイドルなんでしょ。
それに中野くんは、どうせ失業中なんでしょ。
早く会いたい女性に会って、すっきりした気持ちで就職活動した
方がよっぽどいいでしょ。
すっきりね、すっきり。
すっ・きりー♪なんてね。
印鑑はシャチハタじゃダメだからね。
三文判でいいから。」

俺はわけのわからないまま、ハンコをポケットに入れて、
自転車をこいだ。

俺の姿に気付いたのか、不動産屋のドアが開いて、
谷原が出てきた。

谷原「おお、早かったねえ。じゃあ、ハンコだけもらって、
すぐに出るよ。」

中「出るって、ここじゃないんですか。」

谷原「ここな訳ないでしょ。
ちゃんと場所があるんだよ。
一応ステージっちゃあ、ステージ用意してあるから。
キラキラしたステージじゃないけどね。
まあ、うちの車で5分くらいだから。
早く、印鑑押して。複写の2枚目も忘れないでよ。」

中「本当に会えるの?」

谷原「だからウチはセイコウ報酬って、
この契約書でもうたってるでしょ。
時間がないから、急いで急いで。」


こんなに急がせるのは、何か騙されている気分だが、
もしウソだったら「成功報酬」をいい訳にして、
俺は断固払わないつもりだ。

俺はさっと印鑑を押すと、
塗装が腐りかけた白いコンパクトカーに乗った。

車はすぐ近くの空きテナントビルで停まった。
シャッターには「テナント募集」の看板が貼られている。
谷原はまずポストに向かった。
ポストに入っていたチラシをいまいましそうに、
床にたたきつけ、ポストの中をまさぐっている。
ポストから鍵を取り出し、
それでシャッターを開けた。

その部屋は以前はケーキか何かを作って販売していた
店なのかもしれない。
空っぽのガラスのショーケースが並んでいる。
谷原はそのガラスのショーケースの下のステンレスの
扉を開けて、ナンバー式の南京錠のような物の
ナンバーをそろえている。
初めて見たが、ナンバーをそろえると
その南京錠が外れて中から普通の鍵が出てきた。

今度はその鍵を持って、別の部屋のドアの前に立った。
谷原はさっきからずっと無言だった。
谷原は持っていたバッグから、目出し帽というのだろうか、
目と口の部分だけが開いた強盗がかぶるようなあれを
取り出した。

谷原は小さな声で言った。
谷原「これ、一応被りな。
少し脅すとかはいいけど、必要以上にしゃべるなよ。
それと万が一の時は、このベル押せ。」

俺は小さな♪のマークのボタンがついたボックスを渡された。
俺は不安になった。

谷原「大丈夫だよ。施設はちゃんとしてるし、
俺も終わるまでここで待機してるから。
ちゃんと施錠さえすれば大丈夫だから。
若いんだから、楽しんでこい。
30万じゃ、本当はこっちも割にあわない仕事で、
半分ボランティアみたいなもんだけどな。
浪漫だよ、浪漫。行くぞ。」

谷原は目出し帽をかぶった。
俺も同じように被った。

谷原がドアを開けると、そこはすぐに下り階段だった。
地下につながっているようだ。

その5へつづく





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最終更新日  2024.03.24 21:21:44
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