ここ水上駅は温泉郷への最寄り駅であると同時に、
JRでの運行上の境目になる駅です。車両の運行面では、当駅以南が高崎支社、当駅以北が新潟支社の管轄になっています。駅の管理では土合駅までが高崎支社管内ですが、とりあえず大きな節目となる駅なのは間違いありません。
(左)11:40発 普通・長岡行き(115系、8737M列車)
(右)11:44発 普通・高崎行き(738M列車)
新潟色の115系が見えてきて、東京人の私にとってはいよいよ異国情緒(?)溢れてくる景色になりました。
長岡行きの方向幕が誇らしげに見えます。
水上から北の区間は、普通列車が1日5往復(冬期は7~8往復)しか走りません(土曜・休日では11:40発の便が加わります)。旅客列車が極端に少なく、逆に貨物列車の本数が多いです。
8737M列車は定刻に水上を出発。左手にSLのための転車台を見ながら、奥利根と呼ばれる閑散地区を進みます。
実に6度目の利根川越え。
上越線は1931年に
清水トンネル(9702メートル)が完成したことにより、高崎~長岡間が全通しました。
『雪国』(川端康成)の冒頭で「国境の長いトンネル」とは清水トンネル(現・上越線上り線)を指します。しかし1960年代になって輸送力増強による複線化が計画され、下り線用のトンネルとして新清水トンネルが完成しました。
湯檜曽駅上りホームが見えてきました。
下りホームは新清水トンネルに入ってすぐのところにあります。
1967年9月に完成した新清水トンネルは全長13500メートルに及びます。これは在来線用では青函トンネル、北陸トンネルに次ぐ第3位の長さです。
列車は湯檜曽出発から10分以上にわたってトンネルの中を進むことになります。そして湯檜曽出発から4分後。
土合に到着!「日本一のモグラ駅」と称される土合駅は、
下りホームと上りホームの高低差が81メートルとかなり大きいことが特徴で、ホームから連絡通路まで
462段の階段、さらに連絡通路から改札口まで24段の階段を登る必要があります。結果として
電車から降りて改札を出るまで10分ほどかかるそうです。
ここで高崎から一緒だった方とお別れです。
少しホームに降りてみました。9月後半でも残暑が厳しい東京に比べて、トンネルの中ということもあり半袖ではかなり寒かったです。
最早
地下シェルターみたいな雰囲気の土合駅でした。
土樽駅に着く直前で新清水トンネルを抜け出し、新潟県に入りました。
越後中里にて。冬季にはスキー場の休憩施設として使用される
スハ43系という旧型客車が設置されています。
越後中里~岩原スキー場前間にて、大きなカーブを曲がります。
12:14、越後湯沢に到着です。ここでもう一つの楽しみ、利き酒を堪能してみます。
(続く)