カテゴリ:旅
まず最初に感じた違いは、山形駅で借りたレンタカーを走らせてすぐのこと。
車のスピードが違う。 けして混んでなんていないのに、40kmなんです。 こんなにゆっくり運転するのは久しぶり。 石垣島を訪れて以来かな。 車でゆっくり進むにつれて、呼吸もゆっくりになります。 東京にいると、お休みの日でもこんなふうに全身がゆっくりに包まれることってないな。 そして。 風が違うな。 そう感じました。 念に数回訪れる山梨と同じで、山形も盆地です。 東京より北にあれど、暑い。 でも、吹いてくる風が違う。 山が古いからなのかな。 人に触れずに届けられた風。 酸素も多いのかな。 呼吸が楽です。 体の中を入れ替えしている、そんな気分。 古く丸みを帯びた山々には、人口的に植林された杉の木もありますが、 野生の本当の自然の木々とは、明確に違いが見て取れます。 ドライブウェイも、整備されていない、というのとはまた違う、 ぱなし、な感じ。 ああ、これをきれいといわず、美しいというのではないだろうか。 そして、そんな古い山々を見ながら、 緑の色が違う。 そう感じました。 米沢に向かって走った山間の国道や、蔵王、山寺で、 無数に広がる”緑”という色に見入ってしまいました。 はたして”緑”という言葉は、いったいどこからどこまでをいうのだろうか。 音と同じで、色も点ではなく幅なのだと思いました。 人がやさしいな。 そう思いました。 2泊3日の旅でしたが、ひとりも嫌な人に会わなかった。 観光客でごった返し、とげとげしてしまってもおかしくないなというお店、 こんにゃく番所でも、お店の人は楽しそうでした。 レンタカーを返すときには、事務所が閉まった後の時間に返すことを、 許してくれました。気のいいおじさんでした。 正直、行く前は、温泉だってさくらんぼ狩りだって山梨に行けばあるのに、 わざわざ新幹線に乗って山形まで行くのは、 お金も時間もかかって大変だなと思っていたのですが、 行ってみて、山形のよさが初めてわかりました。 特に何があるというわけではないけれど、人がいい。空気がいい。 こんなにのんびりした時間を過ごせたのは久しぶりのことでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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