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カテゴリ:想像の小箱(「十二」?)
『霊界から今日は!』
「え~、蓬莱では今日は4月1日、お昼もちょいと回った頃合でしょうか?皆さん、今日も元気で嘘ついていますか?嘘はばれなきゃ構わないって嘯いていた人がちょいと前に警察にとっ捕まったようで、その人関係で嘘吐き合戦してますよね?誰が一番の嘘吐きなのかは知りませんし、臭いものに蓋をしたらしいけど、今日はですね、ここでの『お話』に出てたのにあっさり消えてしまった(消された?)人、しぶとく頑張ったのに結局は消されてしまった人などに、『あれが嘘だったらよかったのにぃ~!!』ってことで、思いっきりぶっちゃけトークをして貰おうという企画です。『お話』の上では殺された人ばかりの集まりですので、タイトルも『霊界から今日は!』なんてふざけたものになっていますが、気にしないで下さいね。なお、ぶっちゃけトークですけど、『ネタバレ』は厳禁だそうです。まぁ、これまでに起こったことについてはいいけど、これから起こるかもしれないことには『ピ~~~~~』が入ってしまうそうなので、皆さんくれぐれもご注意ください。基準は昨日までに公開された『氷雪の叫び(その7)』ですから、赤楽二百一年上元までということになります。ちなみに西暦ですと2192年に当たるそうです。正月の時が赤楽百八十三年ですから三ヶ月で十八年経っています。その間にイロイロありましたが… …っていきなり読めって言われて渡されたけど、なにこの前振り?要するに俺がその間に死んじまったってことだろう?ホントにあっけない死に方だったよなぁ。遺言も残せなかった」 「お前がアホみたいな死に方するから俺までが死ぬことになっただろうが」 「あれ?魂魄天帝に盗られて出て来れないと思ったのに?」 「こういう日だからってことだろうさ。実際、今自分がどこにいるのかすらよくわかっていないが」 「一応霊魂の存在は否定されているけど今日は特別みたい。俺だってこうして喋ってる場所についてはわからないな。それはともかく、俺と違って最後までケッコウ粘っていたよな。最後の最後はドジだったけどね」 「あれは仕方なかろう。ああいう仕掛けについて俺は知らなかったんだからな」 「嘘だろう?俺が蓬莱で見てきたもの教えてやったじゃないか。あれってそういうものだろう?」 「だから、そういうものがあの場で出てくるなんて思ってもいなかったんだ。蓬莱よりこっちのほうが遅れてるって言ったのはお前だ」 「そりゃ、蓬莱と俺たちが暮らしてた場所は段違いだよ。でもあの人たちは別格というか、違って当たり前というか、俺たちと同じ水準だって思って行動するほうがおかしくないか?」 「それはそうだが」 「そういえばお前と同じようなことしたのがいたらしいな」 「ん?聞いていないぞ」 「そういう紹介はないんじゃないか」 「え?お前もああいうことしたのか?」 「いや、利広がなぜあんなことをしたのか、裏で操っていたんじゃないのかって問い詰めただけだ」 「その辺りの記憶も取り戻したの?」 「蓬山であの廟堂に入ってから後の記憶はどうも封印されていたらしい。風漢もそうなるんじゃないか?」 「なんか凄く厭なことを聞いた気がする」 「実際厭だったぞ。自分の治めた国から逃れてくる荒民を場合によっては弾圧しなきゃいけなかったんだからな。一応は自由になったし、あとはのんびりさせてもらうつもりだ」 「そういえば父親もこき使われていたような?」 「どうもそうらしい。適当なところで逃げ出したようだが、やはり記憶が封印されていて、つい自分の家に戻ったとか。そうしたら年代もので誰も住んでいないから吃驚して再興したらしい。孤児を育てていたのも罪滅ぼしだったのかな?」 「なんか物凄いのが育ってたみたいだが?」 「あれは父さんが意図したことじゃないはずだよ。おそらくは操られていたか、子供たちが直接教え込まれていたのか。どちらにしろ『影を育てる』って何だって思ったよ。父さんの魂魄が混じっていれば王には選ばないってことなのかな?」 「あの娘って言うと変だけど、仙じゃない普通の民だからドンドン年老いていくのって見てると変なものだよね。まぁ、あっちから見ればこっちが変なんだけど」 「それはありますね」 「おっと、昨日死んだばかりのチビか。吃驚したぞ」 「チビは辞めてくださいよ。背はかなり僕のほうが高いですよ」 「でも、年齢的には俺のほうが五百くらい上だろう?俺から見ればチビに変わりないぞ」 「その辺りが物凄く混乱するんですよ。民人は普通に成長し、老いていくのに、僕たちは全く変わらないでしょう?六太さんみたいにずっと年上でも見た目は僕よりも年下に見えるってあるじゃないですか。戸惑いますよね」 「俺もそれは感じたな。こっちに来た当時はその加減がわからないから面食らったな。同じような年にしか見えないのに百を越えているなんて冗談もいいところだろう?俺の時代は五十を超えれば老人だったしな。百なんてのは狐狸の類だ。それがこっちでは当たり前だった。この軟弱漢だって俺よりも百くらい上なんだからな」 「風漢は向うで苦労してたようなので風貌にそれが出てる。私よりも老けてるとしか見えないな」 「そういえばお前の馬鹿弟はどうした?」 「えっとその辺りにいるはずなんですが… ああ、文姫、利広を連れてきてくれないか」 「兄様、兄さんはまた何処かに逃げ出したみたいですわ」 「母さんの眼を盗んでか?」 「ええ、昭彰がいるからではなくて?首刎ねたんですもの、バツが悪くなかったら困りものでしょう?」 「あれも無茶をしたものだ。結局は操られていたのか?」 「その辺りは言葉を濁すばかりでね。自分では利用していたつもりだと思うが、やはり…」 「あれのせいでかなり苦しんだ。あれが宗麟に手を下したから百年余りも王が不在だった」 「うちの民の面倒を見てくれていたのだよね。こう言っては変かもしれないが、お世話になりました」 「あ、いや、それまでも巧や慶の荒民も面倒見ていたしな。気にしないでも…」 「…その巧の方もお世話になりました」 「ああ、一時期高王だったのだな。それも変なものだな」 「私としては不本意だが、結局は楽俊への道を拓いたことになるのかな?それだけは評価できるだろう?」 「あれは何れ王になるかもしれないと思っていたが、何せ半獣だ。巧では半獣への差別がきつかったからな」 「あの当時は意図していなかったが、半獣の有効活用で差別意識が薄れたみたいだった」 「しかし、あそこの麒麟は悪趣味だよな」 「あら?それはどういう意味ですの?」 「楽俊は陽子に好意を抱いているが、生国が違うだの、身分が違うだの、半獣だの、障害がいくらでもあった。陽子の方もまんざら楽俊のことが嫌いでもないが、自分が王なだけに恋愛感情を封印している。なのにあの麒麟だ。緋色の髪に翠の瞳。風貌もどことなく似ているようにさえ見える。最初は本当の子供にしか見えなかったが、今では陽子の妹だと言ってもいいくらいだろう?それも蓬莱の基準でのだ」 「ああ、こっちの親兄弟は全く似ていませんよね。中嶋さんと高麟は蓬莱なら年の近い姉妹のように見えますね」 「陽子にしてみれば封印した恋の相手のすぐ横に自分とそっくりな娘がいるんだぞ、心穏やかなわけがない。まぁ、楽俊のほうは抜けているのか、自分を抑える術に優れているのか、自分の娘くらいにしか扱っていない。己の半身だけど、そういう風に見ないってのはできるものなのかな?」 「おい、それだと俺たちの関係って物凄く怪しいものだったと言っているようなものだぞ。お前、お稚児さん趣味だったのか?」 「俺は普通に若い女のほうが趣味だ。男色の気はないな。陽子と景麒だってそんな感じはないし… あるとするなら世卓と廉麟くらいか?」 「あの二人は特別じゃないのか?こっちでもラブラブみたいだし」 「あれが特別なのか?」 「そうじゃないのか?先新と宗麟だって想像できないだろう?」 「そういわれれば…」 「昭彰は母様との方が仲が良かったわ。娘が一人増えたみたいって喜んでいたけど、父様はどうだったのかしら?」 「あれは照れていたんだと思うな。ああいうおっとりとしたのは苦手そうだし」 「父様は母様のようにしゃきしゃきした人がいいみたいですわね」 「娘というより嫁みたいなものだって言っていたのを聞いたことがあるぞ。ってことは良人は?」 「兄様でしょうね。兄さんじゃ昭彰が可哀想だもの」 「つまり、兄嫁に横恋慕した義弟が凶行に及んだと?」 「七百年も見せ付けられてプッツンきたとか?」 「…冗談が過ぎないか?」 「まぁ、眼を三角になんかするなよ。一応は四月馬鹿なんだから」 「そうだ、泰麒がこっちに来ちゃったのってどうして?気になるんだけど?」 「ああ、それは『ピ~~~~~』なんですよ」 「…肝腎なところ聞こえなかったけど?」 「数日中に何らかの答が出るんじゃないですか?一応は傲濫の錯乱って報告されていたようですが」 「でも使令が麒麟の言うことを聞かないって変じゃない?」 「だからそれは『ピ~~~~~』なんですよ。『ピ~~~~~』ですからそうなったと結論付けるようですね」 「…泰麒、なんか遊んでいない?わざとでしょ?」 「それは文公主が言わせているだけですよ。きわどいことは訊かないで下さいね」 「なんか景王と話しているときと比べて冷たくない?」 「あ、俺もそう感じるな。もしかして片想い?」 「六太さん、寝言は寝てる時に言ってください。蓬莱の誼でもイロイロですからね」 「なんか今の嘘っぽいな。まぁ、今日はいくら嘘ついてもいいんだし」 「でも、あとで嘘でしたって言えない嘘は拙くないですか?」 「これが全部嘘だってことならいいんじゃない?でも、上手い嘘吐きは九割がたホントのこというから騙せるって言うな。多少は嘘で、大概はホントのこと、それがどれかは読んだ人が判断してってことだろう?」 「つまり、言っている本人もホントか嘘か気がついていないと?」 「う~~ん、少なくとも俺は嘘ついてる気はないけどな。文姫はどうだい?」 「私も嘘なんてついていませんわ。兄様もそうでしょうし… 六太さんは知りませんわ」 「そりゃ酷いな。尚隆はどうか怪しいけど、俺は正直者だぜ」 「それが一番怪しいというものだろう?俺は嘘吐きだというのと同じ意味だろうが」 「あ、そうか、今日はそういう日だったな。うっかりしていたよ」 「…なんかわざとらしい気がしない?」 「…少しするね」 「そこで大っぴらに陰口を叩かないこと!ツーか、出てきていないのも多いのにそろそろ〆に入れって」 「…どこからそんなものが?」 「ほら、今貰った紙に書いてあるだろう?」 「じゃあ、私の出番はなしですか?」 「渡海、今のが君の唯一の出番のようだよ。六太さんが喋りだすと周りはねぇ…」 「人のせいにするな。チビだってかなり喋っていただろうが。才の人たちは話題にも上がっていなかったし、舜や漣はホンの一時だけだしね。肝心の利広が逃げ出すから真相だってわからずじまいだし…」 「泰麒のことは『ピ~~~~~』でしょ?時間が足りなすぎるのよ」 「まぁ、すぐに『ピ~~~~~』もこっちに来るからそれからでも…」 「ええ?『ピ~~~~~』が来たら俺厭だよ。進行はチビがやれよ」 「僕だって厭ですよ。文姫さんがいいんじゃないですか?可愛いし」 「あら、そんな…」 「文姫、今のは絶対に嘘だと思うぞ」 「ええ!酷い!じゃあ、次は来ない!」 「ということで、『霊界から今日は!』を終わります。次回はどうなるかわかりませんのであしからず。ではお元気で」 「…って死人に言われて嬉しいか?」 「…それはいえるな」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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